見出し画像

地獄の沙汰もお湯次第②〜ネギ臭に注意

車は国道500号を別府方面に走った。

車内ではちょっとしたトラブルが。
先ほどの直売所で、活きのいいネギを購入してしまい、車内にネギ臭が充満。これからまた山道……

ーーoops(−_−;)

硫黄臭には慣れている私も、密閉空間でのネギ臭は厳しいものがある。
ネギの先っちょに袋を被せてみたりしたがあまり効果はない。なかなかの強烈さであった。

「活きのいいネギ」の購入は、長時間運転の際は避けた方が良いということを学んだ。

そんなこんなで、アフリカンサファリに着いた。今年私と夫は、アフリカンサファリの年パスを購入した。

特段、動物好きというわけではないが、アフリカンサファリは何度来ても面白い。
車で野生動物に接近出来るという、なんともスリリングな体験である。
時刻は16時近くになっていて、車でまわれる動物ゾーンに入れるギリギリの時刻であった。
サファリには何度も来ているが、夕方の時間帯は初めてかもしれない。

実は私、サファリにおいて苦手な動物がいる。

こいつである。
以前、こいつが脱糞している様を目撃してしまい、車の中でグロッキー状態になってしまったことがある。
名前はアメリカバイソンというらしい。あまり調べたくもないが、少し調べてみると、「ウシ目ウシ科」に分類されるとのこと。
丑年の私は、

ーー許さない。

お前がウシ科であることを。

こう見えて草食動物。

ーー嘘やろ?絶対獰猛やん、お前。

ジブリとかに登場しそうなこの容姿。
こいつのいるゾーンでは少し目線を下に逸らしたりする。草食動物ゾーンのいたるところにいるため、結構迷惑である。

そしてクマちゃん。

こんな間近でクマちゃんが見れる。
「クマちゃん」と言っているが、周知のとおり獰猛。危険。さきほどのアメリカバイソンよりよっぽど怖い。
しかし、クマというのは色々なキャラクターに使われていたりする関係で、嫌な感じがしない。そのイメージから、むしろ触ったり出来るんじゃ?的な雰囲気を醸すが、実際は……。

人も動物も見かけによらない。

私が「動物を見る目」がないのは確かである。

シマウマさんは、結構車に寄ってきてくれる。

しかし私、このシマウマさんも少し苦手になってしまった。よく見たらあり得ない柄をしている。足元に向かってボーダーがの幅が狭くなっていく様…冷静になって見てみると気持ち悪い。

サファリを何度か見学して気付くのは、「野生」はグロテスクさや、気持ち悪さを含むということである。

年パス買ったけど、サファリ…
ーー向いてなくね?

いやいや、楽しいよ。
何度見てもキャッキャキャッキャはしゃいでさまう。

もう1つ衝撃なのは、

娘は動物に興味がない。
子供も楽しめる!と思って連れて行ったのに、車内では絵本を見ている始末。

以前、サファリのふれあいコーナーでウサギに興味を示して触ろうとしていたことはあるが、カンガルーとかロバとか、こちらの野生動物たちとは目も合わせようとしない。

怖いんだろうか。

分かるよ。私ももはや、
ーー怖い。

そんなこんなで、車はゆっくりと動物たちの横を進む。

今日のサファリはいつもと違う。
夕日が当たって、それはそれは綺麗なのである。

異国情緒あふれる〜!とても大分県とは思えない。
この、アフリカンサファリというところは、夕方の時間帯が一番味があるかもしれない、ということに初めて気付いた。

いや〜、良かったなぁ、と言いながらサファリをあとにする。

帰りにどうしてもやりたいことがあった。

サファリに入る信号のところに、巨大なマンモスの像があるのだが、その前で写真を撮ることである。

ずーっと気になっていたんだが、道路に面していることもあり、ちょっと恥ずかしい。
20代のピチピチの女子なら問題ないが、齢35、中年に足を突っ込もうとしている女である。
マンモスの前でキャピキャピして良いものだろうか……。

…するよね〜〜

ホント、
ーー馬鹿よね〜〜。

20代の頃、親友荻子(仮)とやった馬鹿がいまだに抜けない。一生抜けないかもしれない。(しかし、普段は割と根暗。)

心だけがいつまでも少女。

そんな、リアル「35歳の少女」を乗せた車は、別府へ向かった。
今日は、「みゆきの湯」という家族湯に入って帰る予定である。
前日の夜、温泉名人をもう一度目指そうと、心に決めたばかりで(31/88)、記念すべき「8年ぶりの32個目のスタンプ」が押印されるはずである。

もはや、どうやってスタンプを押してもらっていたのか覚えていない。

おそるおそる、

「あの、えっと、スタンプ……」

と受付のお姉さんに尋ねた。昨今のマスク着用は、元々小さい声に拍車をかける。

「え?」
「スタンプ下さい!」

声が小さい者がマスクをしたまま話すと、「少し叫ぶ」レベルまでに自身を鼓舞しなければならない。

「うちはやってないんですよ〜」

…orz

そうなのか。確かに、2012-2013の温泉本にはこの温泉は掲載されていなかった。

その時は、最新の温泉本を入手しておらず、現在の88湯巡りにどの温泉が加盟しているか等、全く知らずに臨んだわけであるが、この8年で脱退した温泉、加盟した温泉、色々と変化があったっぽい。

残念ながら、8年ぶり32個目のスタンプゲットならず。

しかし、このみゆきの湯、本当に良かった!

今写真を見ただけでも、身体の強ばりがほぐれてきそうである。

やはり、温泉の力はすごい。

世の中の大抵のことは、「お湯」で解決出来る。

ネギの匂いだって洗い流せる。

ーー地獄の沙汰もお湯次第。

この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?