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手品を見るためだけに旅行に行きたい。


よく手品を見に行く。

どこに?と思われるかもしれないので、具体的な店名などは出さずに、すこし紹介する。

実は手品を見れるところはたくさんある。

例えば、マジックバー。大阪や名古屋、東京に多いが、全国にもたくさんある。個人経営のところが多いかな。あなたの住んでいる県にもあるかもしれないので、ぜひ一度探してみてほしい。

その他に、寄席。落語や講談、漫才の間なんかに色物として手品が見れたりする。他には小規模パーティーやレストラン、教室、居酒屋、手品の大会、コンテストなど手品はいろんなところで見れる。

手品を見るためだけに旅行をしたりもする。

それくらい手品が好きだ。

わざわざ見に行かなくても検索すればYouTubeで見れるじゃないですか、と言われたことがある。

まったく、これだから最近の若いもんは、と言いたくなった。

全然わかってない。

生で見る手品の衝撃は画面越しに見るあの衝撃とは比べ物にならないんだぞ。そんなもんじゃないんだぞ。

会場全体が湧いたときの、あの血の巡る感じと、終わった後の演者の人間に戻るところとか!もうたまんないのよ。

手品ってエンターテイメントだなとつくづく思う。

わたしは大会やコンテストから手品を知ったので、手品は芸術だと思っていた。でも最近、手品は大衆芸能なんじゃないかなと思ったりもする。歴史的にみると芸能に近い気がする。手品が芸能か芸術かの問いは永遠のテーマだと思う。わざわざ分ける必要もないけど、ときどき考える。どちらの立場にも立って論破し続け、決着がつかない。

しかし、強いて言うなら芸能であってほしい。

この間、うちに来たお客さんが「我々は、寿命を延ばすことができてもね、エンターテイナーにはなれないんですよ。人生には娯楽が必要なんです。だから今日来てよかった。」と言ってくださった。他にもたくさん会話したのに、なぜかこの言葉だけ忘れられない。お客さんのリップサービスだったかもしれない。でも、こういう考えを持った人に出会えたのが嬉しかったのだ。


エンターテイメントって、手品師ひとりでつくり上げれるのもじゃないと思うんです。つくり上げた手品師はエンターテイナーかもしれないけど、エンターテイメントには、手品を披露した手品師はもちろん、その場にいる全員が含まれると思うの。お客さんも含まれるし、音楽を編集してくれた人や、照明を選んでくれた人、拡大すると建物を作った大工さんや、設計士さん、建築士さんなんかも含まれると思う。

エンターテイメントの語源はラテン語で「一緒に」という意味のinterと、「維持する」という意味のtentereを組み合わせたものだと言われていて、それを考慮すると、やっぱり複数なんだと思う。

そこでまた、手品は芸術・芸能論に戻るんだけど、手品は芸術というよりかは芸能な気がするのよね。いろんなものが相まって芸術的に見える手品もたくさんあるけど、あくまでも芸術的。

こんなことを考えていると手品パラドックスにはまって抜け出せなくなる。芸術・芸能論はまだはっきりと自分の中でも明確な答えが出てないので後日言及する。今後のテーマにする。

最後に。

わたしは手品を見るのが好きだ。

手品を見るためだけに旅行に行きたい。

手品師として手品をするのも好きだけど、お客さんとして手品を見るのがすごく好き。

とても楽しい。

あと、

お客さんになるのは手品師として、結構重要なことだと思う。

まい

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