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創作:お題「溶」と「脱」と「下」を使って文章を作りましょう。

朝からネチネチネチネチ常務にやられることなど日常茶飯事だが、何度も謝罪を繰り返しさすがに気疲れして席を立った。自販機でいつも選ぶ缶コーヒーを買う。あいつを精神的にズタズタにしてやったと常務に思われるのも癪にさわるが正直戻りたくない。いや、缶コーヒー1本飲む時間くらいなら許されるだろう。たぶん。
「すっげえ我慢強いスね!オレならブチギレてましたよ。いやあさすがだなあ」
と、いつものようにヘラヘラ言って新卒が同じコーヒーのボタンを押した。「あれ、そもそも常務のミスじゃないですか。てめえのミスをひとにかずけやがって」
新卒が口汚く怒りをあらわにする。若いって素晴らしい。こいつなら相手を一発ぶん殴って一発アウトもありえる。しかしもういいおっさんになるとそれは無理なんだよ。
「あれはああいうひとだからな。まあ、しかたない」
「ホント、クソっスね」
どちらのことを糾弾しているのか。常務なのか、それとも。
「あー、オレね、代わりに復讐しといたんで」
「……は?」復讐?
「うげぇ、これ苦くないですか」と新卒はコーヒーをすすって眉を寄せた。「常務今ノーパンなんで」
「なんだって?」
「オレね、パンツ……ああ、下着的な意味でのパンツね、溶かす能力持ってるんで。まあズボン脱がなきゃわかんないですけど」新卒がニヤニヤしている。パンツ溶かす能力ってなんだ。パンツ限定なのか。パンツは溶かすのにズボンは溶けないのか。パンツ溶けろこの野郎!とか思うと溶けるのか。ちょっと待てよJCとかJKとかのパンツも溶かせるのかエロいな!ああもうどこから突っ込んでいいのかわからない。
「だから常務のことはノーパンクソ野郎とでも思っていればいいんスよ」空き缶を捨てて新卒は去って行く。聞きたいことは山ほどあるがしかたない。ノーパンクソ野郎にぎゃふんと言わせるほうが先だと思うことにした。


●なみは「溶」と「脱」と「下」を全部使って文章を作りましょう。
shindanmaker.com/128889

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