早期英語教育のコツ①〜導入〜

 子どもに英語を教えておられるご家庭にありがちなことを、少しお話しさせてください。言葉を学ぶのは家庭が一番だと私も思いますが、その方法が惜しい方が多いのです。
 もし、貴方が「英語を言葉として使う」ことを伝えたいのであれば、是非ご覧ください。

 お子さんに英語を教えておられる方に多いのが、「とにかく検定を取らせる」=検定を取るための指導をしている。これは「英語を使う」という点で言えば遠回りです。意外とご自身が英語を使いこなされる方が陥りがちな問題です。
 
 英語指導は、実は「ことばを教える」という特殊な技能だと言えます。今小学校の英語教育改革を見ていると、政府の方々は「教えれば子どもは自動的に学ぶ」と思われている様で、全く素人の先生方に無理矢理英語の授業をさせたり、中学の先生を英語指導にあてがったりしていますが、それは「英語を使える人を育てる」ことからかけ離れた現実を作り出しています。
 実際、小学生の内に「英語は自分には向かない」と言い切る子どもたちが増えているのが現実です。中学校のスタート時点で英語の得意不得意が決まってしまい、格差は開く一方です。これは以前から言われていたことですが、それが現実となっている形です。

 では、ここからが本題。幼児から小学生に英語を指導することについて、私が海外の教育なども見て得てきたコツをシェアします。

 まず、「ことばを使う」ことを目的にした指導をするのであれば、一番最初にすべきことは、子どもたちの「心を開く」ことです。子どもたちが萎縮したり、恐怖を感じたり、追い詰められる状態は、「心を開く」とは真逆の心理状態になることを覚えておいてください。その時にかかるブロックのせいで、言葉の習得や使ってみようという気持ちを引き出すのはかなり難しくなります。

 乳児から幼児のお子さんは、良くも悪くも家庭が世界の全てです。ですので、おうちの方の心がけ一つで英語を「楽しい」と感じるか「辛い」と感じるかが変わってきます。英語を家庭で使って遊んだり本を読み聞かせたり歌を歌ったりするのであれば、お子さんが「楽しんでいるかどうか」を基準にしてください。歌が好きなお子さんもいれば、お遊戯がお好きなお子さん、読書が好きなお子さんもいます。
 いくら世の中で「読み聞かせが良い」とか「洋書を読ませるのが良い」と言われていても、お子さんが興味を持っていないのに無理矢理させることだけは止めてください。手元に置いておけば、年令や季節、タイミングでお子さんが自然に興味を示す時がくるかもしれませんし、全く興味を示さないかも知れません。でもそれはそれで良いのです。お家の方が興味を持ってそれを読んだり聴いたりしていれば、意識の中には常にあるので、お家の方は是非ご自身が楽しめるものを先に見つけて、それを楽しむところを見せてあげてください。

 この中での目標は、お子さんが「英語って楽しそう、楽しい」と思えるところまでです。それが基本中の基本ですので、どうぞそれを中心にお考えください。お家の方が最初に描いた「目的」をどうぞ見失わない様にしてくださいね。「英語で楽しく会話できる子にしたい」と描いた時、その手段として「英検」を選んだとします。でも、だんだん取り組んでいる内にその手段が目的化してしまい、子どもも引くぐらい英検に熱中して厳しく指導していると、当初の目的の「英語を楽しく…」がひっくり返ってしまうことが、多々あるのです。指導する側は、常に立ち止まり自分の歩みを振り返りながら、目的達成に一番良い方法をアップデートしていくのが良いでしょう。

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