私と母は見た。
私だけじゃないから見たって言ってもいい…という結論。
たまに思い出しては『あれは絶対そうだった」なんて話して笑っているくらいには未確認飛行物体だった…そんな話。

あれはたぶん小学生5・6年くらいだったか、塾か何かの帰り道で私は母の運転する車の後部座席に座っていた。

私の住む街からは山が見える。
稜線に夕陽が沈んでいくのを25年みているが、どんな絵画より美しいと思う。

それはさておき、その日も昼と夜のグラデーションを見たくて、後部座席に座って私は山を見ていた。

紫とオレンジの空に逆光で黒いシルエットの山。そのてっぺんの少し上に黒い物体が浮いていた。最初は飛行機かな？くらいに思っていたが、それは突然三つに分裂したのだ。

「お母さん！あれなに！！！」

私の驚嘆にびっくりした母も赤信号で止まっていたからか、同じ方向を見る。

「なんだろう…なんだろうね？！！」

三つに分裂したものは、ひとつになり、また三つになり、五つになり…を繰り返し。
最後にはパッと跡形もなく消えた。
時間にして数十秒かそこらのことだったと思う。

初めて見たUFOだ！！！

再び車は動き出すも、私と母は興奮していた。
だってあれは、飛行機でも鳥でもなかった。
じゃあUFOだ！

あれだけはっきり見えたのだ。
当時SNSがなかったにせよ、同時刻に目撃してあれは何だろう？と思った人はきっとたくさんいるはずで、きっと似たような経験をお持ちの方はいると思う。

誰も言わないだけで。
言えないだけで。

もし私も見たことあるよ！UFO！
という方がいたらこっそり教えてほしい。

私が宇宙人です。まいど！
というのはご遠慮願いたいけれど。