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これだけは押さえておきたい「麹調味料の基本」

ここ数年話題の「腸活」でよく聞く麹を使った発酵調味料。
「甘酒」「塩麹」「醤油麹」が基本で、この辺りなら聞いたことがある人も多いのでは?と思います。

甘酒は米麹と水のみ(もしくはご飯)を発酵させたもので、塩麹は塩と米麹、醤油麹は醤油と米麹で作った調味料です。
麹菌が腸に作用するので、手軽に美と健康を手に入れられる調味料として美意識が高い女性の間で大人気なんですね。

SNSで紹介している人もたくさんいるし、いろいろな麹調味料のレシピが溢れています。
わたしのお気に入りは「だし醤油麹(麺つゆ麹)」と「薬味麹」の2種類。

お肉にもお魚にも合うけど、料理が面倒な時に豆腐にのせるだけでも美味しい一品になります。
どちらもめんつゆの代わりにも使えるから、これからの季節にこの2つを押さえておくととても便利。

このnoteでは、そんな麹調味料の簡単なレシピと、麹調味料を作るときに押さえておきたいポイントを紹介します。

最低限必要なもの

米麹

麹調味料なのでこれがなくては始まりません。

米麹には生麹と乾燥麹があり、どちらでも作れますが、発酵力と風味の点で生麹をおすすめしています。
生麹を実店舗で手に入れるのは近くに専門店がないところでは難しいのでネット購入するのがいいですね。

乾燥麹であればスーパーで買うこともできるので、まずちょっとだけ作ってみたいな…という場合はこちらでもいいでしょう。
こちらの「みやここうじ」なら見たことがある人もいるのでは?

生麹と乾燥麹の大きな違いは水分量です。
乾燥麹はその名のとおり水分を抜いてあるため日持ちがします。

わたしのnoteでは生麹の分量でレシピを書いていきますが、乾燥麹を使う場合は生麹100gを乾燥麹100g+水25gに置き換えて使ってください。
ネットや本には生麹100gを乾燥麹80g+水20gに置き換えると書いてあるレシピもありますが、発酵力を考慮して乾燥麹100g+水25gに置き換えます。

塩・醤油

麹調味料の基本は甘酒と塩麹と醤油麹。
だし醤油麹や薬味麹、玉ねぎ麹やきのこ麹などのベースも塩麹と醤油麹です。

塩麹には塩、醤油麹には醤油を使いますが、これらにも選ぶポイントがあるので簡単に紹介します。
まず、塩は精製塩ではなく天日塩を。

とはいえ「精製塩」や「天日塩」とは書いていないし、詳しく書くと塩ひとつで記事にできてしまうのでここでは選び方だけ。
裏の表示を見て、原材料が「海水」工程が「天日、平釜」のものを選んでください。おすすめのものを画像の下にリンクしておきますね。

この辺りの塩ならどれでも大丈夫。
シママースだけお値打ちなのは、海外から天日塩を輸入して日本の海水と合わせて溶解→結晶化しているためです。

次に醤油ですが、醤油は「丸大豆」を使った「天然醸造」のものを選びましょう。
これも塩同様語り出すと長くなるので選び方だけ覚えてください。

おすすめはこの2つ

他のメーカーのものでも、「丸大豆」を使った「天然醸造」のものであれば大丈夫です。
厳密にいえばそれ以外のものでもいいのですが、風味が全然違うのでぜひ一度天然醸造のお醤油を試してみて欲しいです。

ガラス瓶

最後はガラス瓶。
麹調味料は雑菌が大敵なので、使う道具は消毒が必要。

お金をかけたくないなら煮沸消毒ですが、煮沸消毒をするなら耐熱ガラスである必要があります。
ガラス瓶はソーダガラスが多く、耐熱ではありません。

鍋に布巾を入れて鍋肌に触れさせない、水から入れて加熱するなどすれば破損の確率は下がりますが、絶対とは言えないんですね。
そんな時に使うのがこのパストリーゼ。消毒用のアルコールです。

わたしはいつもこれをシュッと吹きかけてキッチンペーパーで拭いて消毒しています。
普段からキッチンで使えるので、1本持っていると便利です。

パストリーゼを使っているので、ガラス瓶は使い勝手のいいサイズのものを選んで使っています。

口が広いから混ぜやすいし、そのまま発酵させられるから便利。
容量は500ml前後のものが使いやすいです。

こちらは少量で発酵させるものや、大きな容器を空けたい時にあると便利。
Amazonや雑貨屋で購入するとそこそこのお値段がするけど、実はお値打ちに手に入れられる場所があるんです。

今までにいろいろなガラス瓶で作ってきて、衛生面から蓋までガラスのweckが使いやすいと感じていますが、100均で買えるシンプルな瓶でもじゅうぶんです。

今はちょうど梅酒や梅干しなどの梅仕事コーナーができているから、いつもより選べるガラス瓶が多いはず。

後に紹介する発酵器(ヨーグルトメーカー)を使う時には、瓶だけでなくジップロックなどジップ付きの袋を使って数種類同時に作ることもできます。

基本の麹調味料

基本的な麹調味料を紹介します。
甘酒、塩麹、醤油麹の3つ、それぞれ砂糖、塩、醤油の代わりに使えます。

どれも瓶をきれいに洗って乾かした後に消毒してから使います。
混ぜる時のスプーンなども消毒してから使いましょう。
水はミネラルウィーターか浄水を使います。

甘酒

甘酒には酒粕を使ったものと米麹を使ったものがあります。
麹調味料の甘酒は当然、米麹を使ったもの。

いちばん簡単な作り方は、ほぐした米麹と水を1:1で、たとえば100gと100g(乾燥麹の場合は125g)を使い、以下の3つの方法で発酵させます。
あまり少ないと温度が上がりやすいので、200gずつが作りやすいです。
※甘酒は常温ではできません

1.ヨーグルトメーカー
 58℃で8〜12時間保温

2.炊飯器
 炊飯器に材料を入れてよく混ぜ、保温ボタンを押して8〜12時間保温
 蓋はピッタリ閉めずに濡れ布巾をのせ、菜箸などをかませて隙間を開けた状態で蓋の上に重しをする

3.保温ポット
 保温ポットの中に60℃くらいのお湯を入れて温めておく
 ポットの湯を捨ててポットに麹を入れ、65℃に温めた湯を入れてよく混ぜてしっかり蓋をする

※麹の酵素は70℃で失活するので温度の上げすぎに注意

塩麹

材料
・生麹 100g
・塩(上記のもの) 35g
・水 135g

ボウルに生麹を入れ、塊があればほぐす。
塩を入れて塩を麹を手ですり合わせる。(塩切り)
消毒した容器に入れ、水を入れてよくかき混ぜる。(塩を溶かす)

・常温で発酵させる場合
 容器に入れたら蓋は少しずらして隙間を開けておく。(ペーパータオルを被せて輪ゴムで止めてもOK)
 1日1回清潔なスプーンでかき混ぜて、お米が柔らかく潰れる程度になって、塩味がまろやかになったらできあがり。

できあがったら冷蔵庫で2ヶ月程度保存可能です。
※夏場は5〜7日、冬場は7〜10日程度かかります

・ヨーグルトメーカーを使う場合
 容器をヨーグルトメーカーに入れ、58℃で8〜12時間発酵させる。
 できあがったら粗熱を取って冷蔵庫で保存。(2ヶ月程度保存可能)

醤油麹

材料
・生麹 100g
・醤油 100g+α(状況に応じて追加)

容器に生麹を入れ、塊があればほぐす。
醤油を入れ、清潔なスプーンで麹に醤油が染み込むまでよく混ぜる。
麹によって吸い込む量が違うので、状況を見ながらひたひたを保てる量を入れます。

・常温で発酵させる場合
 容器に入れたら蓋は少しずらして隙間を開けておく。(ペーパータオルを被せて輪ゴムで止めてもOK)
 1日1回清潔なスプーンでかき混ぜて、お米が柔らかく潰れる程度になって、醤油味がまろやかになったらできあがり。

できあがったら冷蔵庫で2ヶ月程度保存可能です。
※夏場は5〜7日、冬場は7〜10日程度かかります

・ヨーグルトメーカーを使う場合
 容器をヨーグルトメーカーに入れ、58℃で8〜12時間発酵させる。
 できあがったら粗熱を取って冷蔵庫で保存。(2ヶ月程度保存可能)

※麹が乾燥しないよう、麹が浸る程度に醤油を継ぎ足してください。

薬味麹

醤油麹の発展版です。(発酵時間や注意事項は醤油麹を参照)
薬味の爽やかな味と香りが夏に落ちやすい食欲をカバーしてくれます。

肉にも魚にも豆腐にも合う万能麹調味料です。
冷たい麺類に混ぜてもさっぱり食べられます。

みょうが、大葉、薬味ねぎを合わせて100g、きれいに洗って水をしっかり拭き取り、細かく刻みます。
消毒した瓶に米麹100gと刻んだ薬味を入れてよく混ぜ、醤油を注いで醤油麹と同じように発酵させます。(乾燥しないよう麹に合わせて醤油を追加)

だし醤油麹(麺つゆ麹)

醤油麹の発展版です。(発酵時間や注意事項は醤油麹を参照)
アルコールを飛ばしたみりんと醤油、無添加の粉末だし(鰹粉、あごだしなどお好みで)を使って作るので、麺つゆのような風味のある麹です。

そのまま肉、魚、豆腐に合わせて食べるもよし、ペースト状にしておくと麺類にもとても使いやすいです。

みりんを鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火で1分ほど加熱してアルコールを飛ばし、粗熱を取って冷ましておきます。
消毒した容器に麹を入れ、塊があればほぐす。

だし昆布はキッチンばさみで小さくカットしておきます。
麹に刻んだ昆布と粉末だしをいれ、混ぜ合わせる。

粗熱が取れたみりんと醤油を容器に入れ、よく混ぜる。
醤油麹と同じ容量で発酵させます。(乾燥しないよう麹に合わせて醤油を追加)

※麹の酵素は70℃で失活するので60℃以下に下げておく

わたしが普段使っているみりんです。
昔は女性に好まれる食前酒だったというみりん。
本当のみりんはそのまま飲んでも美味しいし、料理の味も全然違うので、ぜひ一度手にしてみてください。

粉末だしは合成された粉状のものではなく、鰹粉や煮干し粉、あごだしの粉末など天然の無添加のものを使います。
昆布だしを細かくして粉末だしを合わせるのが面倒な場合、ちょっと割合は変わりますがこちらの「飲むお出汁」を30g入れると簡単です。

この「飲むお出汁」に粉末緑茶を混ぜて飲むと一時期話題になった「痩せる出汁」にもなるし、味覚リセットもできるのでこちらもおすすめです。

薬味麹は薬味の食感を楽しむためにそのまま使いますが、甘酒、塩麹、醤油麹、だし醤油麹はできあがった後にブレンダーでペースト状にすると使いやすいです。

玉ねぎ麹(また別のnoteに書きますね)や自家製インスタント味噌汁などを作る時にもとても便利なので1台持ってるといろいろ使えます。

あると便利な発酵器

常温でももちろん発酵させて作ることはできますが、常温だと1週間かかるところ発酵器を使うと一晩で発酵が完了するので、1台持っているととても便利です。
発酵器といってもヨーグルトメーカーなので、持っている人はぜひそれを使ってください。

持っていない人も、一度使ってみると手放せなくなると思いますよ。

イチオシはヨーグルティア

わたしが使っているのはひとつ前のタイプですがTANICAのヨーグルティア。
ヨーグルトはもちろん、温泉卵や肉、魚の低温調理、麹調味料の発酵など様々な用途に使えます。

こういう道具は出しっぱなしにしないと使わなくなるので、キッチンに馴染むものを選ぶのがいちばんです。
瓶だけでなくジップ付きの袋を使えば2種類同時に発酵させることも可能。

細めの瓶なら牛乳パックが入るタイプも

愛用のweckはヨーグルティアには入りますが、こちらのタイプには入りません。
DAISOの写真で丸をつけてある細身のタイプの瓶であれば、こちらのヨーグルトメーカーでも使えます。

麹調味料の基本についてざっくりと書いてみました。
ご質問があればお気軽に聞いてくださいね。

麹のいいところや他の麹調味料、塩や醤油、みりんなどの調味料についてはまた別で書いていきます。(オタクは語り出すと長いので…)

ではでは。
素敵な麹ライフを楽しんでください。

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