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私が台湾に留学することになったワケ①~小籠包の恨み~

運命を変えた上海旅行

こんにちは!台湾留学中のナナです。前回の自己紹介に引き続き、わたしがいま中国語を学んでいる理由、そして台湾にいるワケを順を追って振り返りたいと思います。

わたしは国内の某国立大学にて、中国語を専門に勉強しています。文学部、経済学部、社会学部…などがみなさんが思い浮かべる一般的な専攻だと思うのですが、私の場合は「中国語」学部というわけです。もともと中国語が話せるわけでも、家族のなかに中国にルーツがある人がいたわけでもありません。

大きなきっかけとなったのは、高校3年生のとき、母に言われるがままに連れていかれた上海旅行でした。わたしの母は無類のディズニー好きですが、東京では飽き足らず、国外ではおそらくもっとも近場の上海ディズニーランドに行こうと言い出したのです。当時わたしの中国に対する印象は正直に言ってあまり良いものではなく、上海旅行もあまり気乗りがしませんでした。しかし、我が家ではオソロシイ母の言うことには逆らえない…(笑)5月だったこともあり、本格的に受験勉強に入る前に家族で思い出作りに行こう、ということになりました。

上海の夜景

はじめて足を踏み入れる中国は、何もかもがとても刺激的で、まるで昨日の出来事のようによく覚えています。

  • 音もなくすごいスピードで走ってくる電動バイク

  • 交差点できちっと隊列を組んで人々を整備している警察官

  • 夜、町のなかで謎のダンス?体操?を始めるおばちゃんたち

  • 観光用のボートで痰を吐きまくる船頭のおじちゃんたち

  • トイレに並んでいたら平然と抜かしてくる人々

  • びっくり!トイレに流せないトイレットペーパー

  • 電車で大量のドラえもんのパチモングッズを売り出す人

  • 電車で駅に着いたとき、絶対に降りないドア付近の人々

  • 地下鉄に乗る時ですら厳重な荷物検査

  • おそろしいスピードで走るリニアモーターカー

ここだけ読んでいると「な~んだ、やっぱりロクな国じゃないな」などと思われるかたもいそうなので、特に印象的だったことを書こうと思います。それは、

  • 想像の100倍、中国のかたがフレンドリー!

  • 上海ですら英語が通じなかった!!

この2つです。

細かいことは気にしない?おおらかで親切な中国人

まず最初ですが、それまでのわたしの中国に対するイメージといえば、日本人に対する反感が強く、いつも大声で怒っていて、さらにマナーがなっていない、というようなものでした。

しかし、実際に中国に行ってみると、みなさんこちらが日本人だろうが、まったく中国語が話せなかろうが、まあめちゃくちゃ話しかけてくる(笑)

母がちょっと電車でよろめいたときは、すかさず男性の方が(当時は中国語がわからなかったのであくまで予想ですが)「大丈夫?つかまりな」みたいな感じで声をかけてくれましたし、朝ごはんを買いに売店に行ったときは、後ろに並んでたおばちゃんが「これは辛いからトッピングするのはやめとき」みたいに口を出してくれました。さらには電車の中でも、中国人の親子連れがわたしに親しげに話しかけてくれ、わたしは小さいお子さんがもっていた画用紙にパンダや猫などのイラストを描いて、しばし交流を楽しみました。

マナーに関しては、たしかに「列を抜かす」「押しのけてくる」ことがしばしば見られ、日本人からすれば嫌になってしまう人も多いかもしれません。

しかし、わたしにはこれがいい意味で新鮮に映りました。

マナーが悪いといえばそれまでなのかもしれませんが、逆にそういった(日本人に言わせれば)お行儀のよくない人に対して、誰もあまり文句を言わないし、むしろ当たり前に受け入れているようだったのです。
トイレで抜かしてきた人に対して不平を言っているひとはいませんでしたし、わたしたち家族が注文でまごついてしまい、うしろに長い行列ができてしまったときも同じでした。日本人だったら静かにイライラを募らせ、限界値に達したときに急にブチギレているところかもしれません。
中国の人々は、細かなマナーや暗黙の了解にとらわれず、なんだかのびのびしているように見えたのです。

都会なのに英語があまり通じない?!~小籠包事件勃発~

もう1つ、驚いたことは、英語が思ったより通じなかったことでした。
ディズニーランドやホテルでは英語を話せるスタッフも多かったのですが、町の小規模な飲食店ともなると、まるでダメでした。

そして、夜ご飯を食べようとフラッと入った店で、事件は起きたのです。

わたしたち家族はいくつか料理を注文したのですが、そのなかでも一番楽しみにしていたのが小籠包でした。しかし、なんということでしょう、待てども待てども小籠包が運ばれてこないのです。
焦ったわたしたちは、その辺を歩いていたスタッフになんとか英語で自分たちの料理が届いていないことを伝えようとしたのですが、相手は「わからない」の一点張り。どうしようもないので、その日の小籠包はおあずけになってしまいました。(後日別の観光客向けのお店でいただきました)

後日別の飲食店で食べた小籠包。

わたしもまさか英語が世界どこでも通じるなどとは思っていませんが、まさか中国の大都会、上海でここまで理解してもらえないとは…。
かなりの衝撃でした。

そして同時に、中国で小籠包を余裕の表情で注文できるようになるまでは、絶対に死ねないと思いました。(おおげさですが、わたしは食べるのが大好きで、それだけに食べ物の恨みは大きいのです)

さらに、あの電車で出会った親子ともし中国語で会話できたらどうだっただろう、トイレで抜かしてきたおばちゃんにもし「ちょっと。も~、抜かさないでよ~」なんて言えていたらどうだっただろう。なんてことも頭に浮かびました。

もっといえば、中国語を話せる13億人の人と会話できたらどんなに楽しいでしょう。もちろんジェスチャーでも英語でも、ある程度は通じるところがあるかもしれません。ただ、わたしは自分たち日本人と顔のつくりは似ていても、文化も習慣もまったく違うこの国の人たちの素顔をもっと知りたい、そして中国語を学んでいろいろ深い話がしてみたいという思いを強くしたのです。

言ってみれば、街角の小さな小籠包やさんは、中国という広大な国に対する興味を抱かせるにはじゅうぶんでした。
百聞は一見に如かず、との言葉がありますが、中国旅行はまさに、わたしの中国に対する偏見を180度変えることとなったのです。

その後わたしは無事、第一志望であった国立に受かり、満を持して中国語を学び始めるのですが、そのことはまた、次の記事に書こうと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました!
フォロー、スキ、ぜひぜひお待ちしております。
次回またお会いしましょう!



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