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私の旅路 No.4

私は、いつの間にか旅に出ていたことに気づき、ここらで振り返ることも悪くないと考えたからだ。

そもそもの原点は、「不確かな存在や歪な言葉の日々から抜け出したい。」と願ったことがきっかけだ。その結果、想像を絶するような世界に飛び込んでしまっていたこと。

そして、鏡に映らないもう一人の自分を見つけてしまったこと。その見えない姿の自分と向き合えない私が嫌いだということ。これ以上は、考えても良いことが浮かびそうになかった。

どこからかは知っている。では、どこへ・・・か。「何も浮かばない。」
それが、私の今の答えなのかもしれない。と、悩みが深くなりかけてきたとき、コビトは呼びかけた。

今日は、もう疲れただろうから休んだらどうか。と言われ、私は二つ返事をした。そうだ、明日もう一度考えたら答えが出るかもしれない。そう期待を込めて、床についた。

朝を迎えた。ここは本当に静かだ。そして、太陽の代わりに雪雲が顔を出していた。昨日の悩み事が引っかかるからか良く寝られなかった。私は不思議な疑問が浮かんだ。

そう言えば、いつから「私は、わたしが嫌いになったのか」。いつから「私は、わたしを他人より必要がないと思うようになったのか」。いつから「私は、わたしを信じられなくなったのか」。と、大きな括りが見えた気がした。


その疑問こそが、後の” 良くないもの “だったのかもしれない。と気付くのはもう少し後だ。旅人は、疑問に気付きながら、気付かないふりをして、次の部屋を目指すために準備を始めた。

支度が終わると、コビトに一礼し、小屋をあとにした。

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