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性別不合の支援者心情から傾聴の重要性を考える

【想定している読者層】
・性別不合の問題に関心のある方
・支援者(友人、パートナー等、専門家以外)


私の見解

記事タイトルについて、私が考える重要性は、ひとまず1つです。

①「死」について落ち着いて傾聴できることが重要

では、続きを書いていきます。

支援者支援の重要性

性別不合の支援者としては色々な方々が想定されます。

それは、
友人やパートナー、家族、教員等々です。

こういった関係の中では、当事者によるカミングアウトが
あってもなくても、「その人のことが大切」です。

ただ、もし当事者からカミングアウトを受けてしまったら
どんな気持ちが沸き起こるのでしょうか。

その時、こういった支援者の方々は、
その人が大切だという気持ちと同時に、
誰にも相談できない苦しみを抱えることがあります。

支援者の周囲にいる人たちが、
必ずしも性別不合に理解があるわけではないからです。

まして、自分自身の理解も問われてきます。

例えば、
「理解者のつもりだったけど、あれ、おかしいな、なんかダメかも」
等々考える事もあるでしょう。

すると、
「戸惑う気持ち」を当事者に怒りとしてぶつけたくもなります。

さらに、
当事者に対して根掘り葉掘り聞きたくなることもあります。

でも、どこまで聞いて良いのか分かりませんよね。
相手を不愉快な気持ちにさせるのは本意ではないからです。

また、当事者が支援者にカミングアウトしたということは、
そこには大きな意味が込められている事があります。

ある意味、「この関係が終わる可能性」も念頭にあるでしょう。

こうなると、支援者にとって、かなりの重荷に感じられることも
あると思います。
(もちろん、全員がそうではないと思います。)

そこで、支援者がゆっくりと当事者との関係について悩んだり、
自分を見つめ直したりするためにも、支援者支援が重要です。

もし、自分が支援者支援の立場になったら、
どんな心の準備をしておけばいいのでしょうか。

支援者心情を考えるための情報源

当事者からカミングアウトを受けたパートナー(支援者)の
心情をできるだけ想像しておくことは、やはり意味があると思います。

手がかりは、どこにでもころがっている情報です。

誰にでもアクセスしやすいということは、その情報に基づいて、
色々と考えを巡らせている可能性が高いと想定されます。

①テレビやネットのニュース

いまはメディアで性別不合が多く取り上げられています。
そして半分くらいは事件的な報道です。

・性別不合の方が自殺した
・性別不合の方が周囲に迷惑をかけた
・性別不合の方が事件にまきこまれている
等々、聞きますよね。

②医者の話

精神科医の方々も、ところどころで情報を出しています。
ただ、最近は少し後ろ向きな情報が増えているようです。

性別不合の診断書を書ける医者は、近年、診断書を悪用した犯罪が増えつつあることを心配しているようです。

そんな簡単に診断書がもらえるのだろうか、と思うかもしれませんが、
実は貰える場合が増えてきています。

これ以上詳しくは書けませんが、私がメールで情報収集をしているとき、
そんなお話を聞くことがありました。

③YouTube等の動画投稿サイト

動画やSNSは、いまや情報収集の中心的な手段です。
そこで性別不合について調べると、あらゆる情報が手に入ります。

キレイな女性や、かっこいい男性が動画でお話されていて、
元々男性ですとか、女性ですと教えてくれています。

基本的にきらびやかな感じがするので、それは良いのですが、

深入りしていくと、
当事者間差別の問題が見えてきたり、
手術を受けて後悔した人がでてきたり、

死亡リスクのある手術を受ける事について、
「自認する性として生きられないなら死んだ方がマシ」など
お話されている方もいらっしゃいます。

それぞれ、私はとっても納得感があります。

ただ、これを聞いたパートナーはどうかなと、
やはり心配な気持ちも同時におきます。

「あの人はいつか死んでしまうんじゃないか」

この様に、情報収集がなされていくと
支援者の心情として、私がひとつ想像するとすれば、
「あの人が死んでしまったらどうしよう」です。

その人を大切に思う気持ちがありながら、
あらゆるメディアから、死への不安が沸き起こります。

そうでなくとも、
これからどうするの?本当に大丈夫?と、深く心配するでしょう。

その人が一度、性自認に従った生き方を手に入れたとしても、
周囲のこのような心配は、なかなか晴れにくいものだと思います。

事実として、手術後の自殺や、望む性での生活を始めた後の自殺、
といった情報に触れる事は、とても多くあります。

この様な不安に対しては、とにかく話を聴くことが重要です。
不安を一通り話してもらって、落ち着いてもらう事が大切です、

その時、一番落ち着かなければならないのは、支援者の支援にあたる人。

支援者から、当事者に対する不満や怒り、悲しみ、これからの心配、
あらゆる気持ちが、死への不安とごちゃまぜに語られるかもしれません。

「もし、あの人が死んでしまったら、私はどうすればいいんですか」等、
聞かれることもあるでしょう。

カウンセラーは上手にやりとりするのかもしれませんが、
普通、支援者が本当に相談したい相手はパートナーや仲間です。

つまり、支援者の支援に当たる事となった支援者の理解者です。

ただ、周囲にいる人は
上手にやりとりできなくて当然で、むしろそちらが大多数の普通です。

そこで敢えて特別な気遣いみたいなことをしようとするならば、
落ち着いた傾聴でしょうか…。

何か言いたくなってもぐっとこらえて、とにかく話を続けてもらう。
興味を向けて、否定しないで、ねぎらい、励ましながら聴く。

そんなことが大切なのではないかなと、私は考えます。
ただ、無理は禁物です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。