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通じ合えない心

微笑みあうだけで
心が満たされていたあの頃

俺たちに必要なのは
言葉ではなく
お互いがそこにいること
ただそれだけのことだった

惹きつけあう者同士の逢瀬は
せつなさと
離れ難い気持ちの連続で
逢うたびにそれは高まり
強調され

ついに
約束を伴う確認へと移行する

当時は
それがごく自然なことで
逢えない時間の辛さを思えば
必要なことだと納得もした

心が固く結ばれることが
何よりも優先事項だと・・・

だってそうだろう

この地球上の人類の中の
たったふたりの人間が
同時に同じ気持ちにかられるなんて
そんな奇跡があるものか

運命の出会いだと
確かにそう思えたんだ

なのに
俺はどうしてしまったのだ

この年月という時間の経過で
まったく別の人間になったとでもいうのか

いや
俺だけじゃない

おまえの、その瞳・・・
耐え難い沈黙

くどいほど交わした言葉のあとに
決まっておとずれるもどかしさ

なぜだ

俺たちはお互いを信じたからこそ
約束を交わしたのじゃなかったのか

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