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私と仙台④~派遣製造バイトにて運命の出会い

仙台を語るときに欠かせない人物が数名いる。

今回はそのうちの一人を紹介したい。


彼女との出会いは今でも忘れない。

あれは大学1年の夏休み。

時間はあるがお金が無いため、私は片っ端からありとあらゆるバイトに応募していた。

そこで目に止まった、派遣バイト。

飽きっぽい私にとって、案件ごとに仕事の内容がガラッと変わる派遣バイトはとても魅力的だった。


完全に金額順で吟味した結果、おにぎり製造工場のバイトに申し込むことにした。

しかしこのバイト、日給はいいがとんでもなく朝が早い。(というか、だから日給がいい)

朝7:00に小鶴新田集合。仙台駅から20分くらいかかる駅だ。

眠い目をこすりながら、早朝の仙石線にゆられ小鶴新田に向かった。



「もしかして、〇〇ライス?(おにぎり製造工場名)」
小鶴新田を降りるといきなり、声をかけられた。

どうやら向こうはずっと気になっていたらしく、駅を降りるなり待ってましたという表情で近づいてきた。


普段の私は、どちらかといえば愛想がいい。
しかし、この時はすこぶる、ほんとうに眠かった。

「…はい、そうです。」
「…だよね、私も!」
「…はい。」

終わる会話。
気まずい沈黙だっただろうが、申し訳ないことに眠かった記憶しかない。



時は過ぎ、午前中の仕事が無事終わり昼休憩となった。

バイト中は目以外はマスクと作業着でおおわれているため顔の判別がほとんどつかないが、同じタイミングで上がった子は朝の子だった。


日も登りすっかり元気になった私は、朝の態度を申し訳なく思っていたのもあり、
今度は自分から話かけに行った。

当たり障りのない身の上話から始めたのだが、なんとびっくり。

同じ年、同じ大学、そして帰る家も同じ。(当時学生寮に住んでました)


その日一緒に帰り、途中でミスドに寄り、いちいち「チョコレートのバランスが神!サクサクと中のトロトロのコントラストが~」と大きな声で食レポを始める姿に若干引き(おいしいものを食べると食レポを始めてしまう癖を持った子なのです)、そして、とっても仲良くなった。


彼女は、見た目はすこぶる清楚なのに中身はすさまじくぶっ飛んでいた。

ある時は髪を緑と赤に染め(ちなみに寮の洗面台で染めたためルームメイトにひどく怒られてた)、
ある時はカラオケオールしてからそのまま一緒に1限に行き
ある時は同棲していた彼氏の家から夜逃げ?とやらで、荷物をこっそり運び出すのを手伝わされ。
「これが世界一おいしいキャベツの食べ方だ!」と急に深夜にせいろでキャベツ蒸しはじめて、オリーブオイルと岩塩で食べさせられた時もあった。めちゃくちゃ美味しかった。

エピソードは尽きないんだけど、とにかく私は彼女に振り回されながら、そんな自由な彼女が大好きだった。

ちなみに、ぶっ飛んではいるが非常に頭がよく負けず嫌いで、テスト前は毎回21時頃まで一番町のドトールで一緒に勉強していた。
そのあとはもれなく国分町に繰り出していたため、テスト時期に一番飲んでいるという訳の分からない学生だった。

音楽の趣味もぶっ飛んでいて、一緒にカラオケに行ってもヘビメタかヴィジュアル系しか歌わなかった。しかもちゃんとシャウトまでするからすごい。

試しにAmeir歌わせてみたら、普通にうまくてびっくりした。

そんな彼女だが、私がGLAYが好きでそればかり歌い続けたら彼女も好きになってくれた。

雪が降るとよく「Winter,againごっこ」をした。
・・・とてもお見せできるものではない。

今でも彼女のよく歌っていたAcid Black Cherryを聞くと、あのドトールを見ると、あの頃を思い出す。

彼女も私も仙台の地から離れてしまったが、当時の記憶は、些細なもので鮮明によみがえる。

…元気にしてるかな。

(To be Continued…)

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