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Netflixにある宇多田ヒカルさんのライブを観てみた🎵


宇多田ヒカルさんといえば、誰もがご存知の日本のトップスターの1人で、私も彼女の曲はほとんど知っている。
でも正直、私がライブに行きたいと思ったアーティストは、自分がリズムをとって踊れたり、時にはマイクを向けられて一緒に大声で盛り上がれるロックバンドだとか、とにかく日常を忘れて楽しくギャーギャー騒げるアーティストばかりだった。
だから、宇多田さんのライブには一度も行ったことがない。そこで、Netflixの「Laughter in the Dark Tour 2018」というライブを観てみた。

宇多田さんのライブは、特に派手な演出も、ステージの早変わりも、何度も変わる派手な衣装も、歌いながらのダンスも銀テもなく、ただそこで、彼女の生歌を静かに聴きたくて集まった人たちの場だった。
歌一本で何万人をも魅せられる、稀有なアーティストだと悟った。

派手なオープニングもない。バンドメンバー、ストリングスの方たちがスタンバイしている中、せりから上がり、背中が大きく開いた黒のロングドレスを身に纏った宇多田さんが歌い出す。
曲が進むにつれ、このサポートメンバーのリズム隊が超一流の方たちの集まりだとすぐにわかった。(これでも、たくさんのアーティストのライブ参戦回数は誇れるほど多い。)
全員が日本人ではない、男性だけのミュージシャンたち。
彼女は、そんな彼らにサポートされて安心感に包まれて歌っているように見えた。

言わずもがなだが、歌っていても歌っていなくても宇多田さんは美しい。歌声も安定していて、高いキーで歌うのに、苦しそうな表情一つ見せず、歌詞も全く間違えない。視線も一定の遠くを見ているので、間違いなくプロンプターなんか使っていない。さすがプロのアーティスト。

私が心を掴まれたのが、Traveling からColors へのメドレーに変わる瞬間だった。Colors のイントロには特徴がある。キーボードの方が絶妙なタイミングでその音を奏でるとオーディエンスがざわめく。
この、曲と曲の繋ぎのタイミングまできっちりこだわっているライブだと感じる。4:50あたり↓


このイントロ、何かに似ている!直感が働き、考えたらこれだった↓(なんせアリアナファンなので🤎)



Troye Sivan "Dance To This" ft. Ariana Grande
ちなみにこちらは2018年発売。
Colorsは2004年。

話はネトフリライブに戻るが、その後もところどころMCが入るも宇多田さんの歌声、曲に聴き入ってしまい、あっと言う間に終わった。

とても綺麗な声に癒されたが、あんなにたくさんの人たちを目の前にしていても、彼女の目はどこか寂しそうに感じてしまった。笑っていても歌っている時も潤んでいる目。満たされているように見えるのに、どこか悲しい目。決して涙は流さないが、悲しみに満ちた目をしているな、となぜか感じてしまった。

大スターというのは、周りにたくさんのスタッフやサポートの方たち、友達、仕事仲間がいて、さらには彼女にはお子様までいて、孤独なんか感じないはず。だけど、何か大スター故の彼女の目の奥に秘められた孤独、寂しさを感じてしまった。

その宇多田さんが、一昨日インスタライブをやるというので、聴いてみた。
あんな完璧なライブをさらっと成功させる方なのに、自宅からのただのインスタの生配信にナーバスになっており、落ち着きがない。
完全なプライベートモードになっており、素の彼女が垣間見える。
それでも、一生懸命自分の言葉で、ファンからの結構重い相談に真摯に答える。自ら選んだ質問は、「生きる意味とは?」

すると、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を引用し、「人は生きる意味を問うのではなく、生きる意味を問うている自分を認識しなければならない。自分は人生に問われている、だから人生と向き合い、責任を持たなければならない。生きる意味とは、問い続けること、全ての原動力は“愛”から生まれる。」というような話をされていた。
他の質問にも、「挫折」は自分自身の概念でしかなく、辞めることが挫折なのではない、そもそも成功を狙ってはいけないなどと話されていたと思う。

『夜と霧』は、1946年に出版された、著者のナチスの強制収容所経験に基づいた書籍。
やはり、天才はこのような私が避けて通るような本を読んでらっしゃるのだなと思った。

この世の中、皆それぞれが苦悩を抱え生きている。
彼女にも、彼女にしかわからない見えない何かを抱えていると思う。

ともあれ、とてもいいライブ映像とIGライブを楽しむことができて、良かったです。
ありがとうございました。

#宇多田ヒカル #夜と霧  

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