ケリー奈々緒

放浪の末にたどり着いたのはオレゴン州ポートランド。 映画「マッドマックス」のように荒れ…

ケリー奈々緒

放浪の末にたどり着いたのはオレゴン州ポートランド。 映画「マッドマックス」のように荒れているアメリカ社会にて「そこそこ楽しい暮らし」を模索するブログ。 日々の楽しさを見つけることは、私の人生のよさを見つけること。

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  • 毎日ただただ本が読みたい

    モヤモヤを言葉にしてくれる本を読みあさる。 今興味があること:資本主義社会、植民政策、パレスチナ などなど

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明るく楽しいだけじゃ救われない日もある

アメリカのオレゴン州ポートランドに住んでいます。雨の多いポートランドは、読書がはかどる街。午前はコーヒーとおやつ片手に、夜はソファにねそべって、今日も世界を読みかじる。 世界は不条理で、こんなにも理屈が通らない場所だったんだ。最近そんなことを痛感している。 こういうとき、明るく楽しいコンテンツが気晴らしになることもあるかもしれない。でも、そういうものが受け付けられないときも正直わたしはある。最近がまさにそんな感じだった。 それよりも自分の気持ちや環境を否定しないような、

    • ただそこにいるだけ、それが抵抗

      アメリカのオレゴン州ポートランドに住んでいます。雨の多いポートランドは、読書がはかどる街。午前はコーヒーとおやつ片手に、夜はソファにねそべって、今日も世界を読みかじる。 イスラエルの「入植政策」と、アメリカの建国プロセスは似ている。パレスチナ情勢に胸を痛めながら、勉強を深める日々がつづく中で、気がついたことだ。 イスラエルの入植政策とは、イスラエル軍とイスラエル人の入植者たちが、自分たちの国土を押し広げるために、パレスチナ人たちを彼らが先祖代々住んできた土地から追い出し、

      • ダンサー志望がヒトラーの秘書になるまで

        アメリカのオレゴン州ポートランドに住んでいます。雨の多いポートランドは、読書がはかどる街。午前はコーヒーとおやつ片手に、夜はソファにねそべって、今日も世界を読みかじる。 わたしの住む国アメリカは、イスラエルによるパレスチナ人虐殺を支援するために、たくさんの武器と資金を送り込んでいる。それだけでなく、パレスチナを援護する動きを見せたイエメンという国に、空爆まで始めてしまった。アメリカ国内では戦争は起きてないものの、自然と意識の中に、戦争が入ってくる。少なくとも、わたしの意識の

        • ひさしの下、ビルの内側

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 今日は少し、「住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。」というコンセプトから少しだけ離れます。 **** ポートランドのサウスイースト地区に、いつも通っているナチュ

        明るく楽しいだけじゃ救われない日もある

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          ありたい自分で死んでいけるか

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 クリスマスは、義母と、彼女の兄にあたる叔父さんに会いに、ベンドという街まで行ってきた。二人は叔父さんの家で一緒に暮らしている。叔父さんは去年の年末に、ステージ4の肝臓がんと診断された。その後しばらくは闘病

          ありたい自分で死んでいけるか

          泣きながらファラフェルを食べる

          10月中旬から毎週末、パレスチナの解放のために二人でプロテストに参加している。 先週の土曜日は、パートナーのマックスと、”子どもたちによるパレスチナのためのマーチ”に行ってきた。主催者の人に、大人だけど行っていいですか?ってちゃんと問い合せてからの参加。 パレスチナ側の死者は20000人。そのうち70%が子どもと女性。 死者の平均年齢は5歳。死者の平均年齢は5歳?それが当たり前でいいのか? 少なくともわたしの基準ではそうではない。 マーチにはパレスチナ系アメリカ人の子ど

          泣きながらファラフェルを食べる

          プロテストはだれのため?

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 イスラエル軍によるガザ侵攻が始まった10月7日以降、わたしはInstagram にくぎづけになっている。大手メディアを介さない、パレスチナ人による現地の情報を、リアルタイムで見つけることができるからだ。

          プロテストはだれのため?

          (3)人生は牢獄?アヤワスカで感じたこと

          そっと目を開けると、大地はまだ美しく輝いていた。月の光のようなやさしい光だ。大地に広がる幾何学模様を眺めていると、地球自体はわたしたちを、苦しめたり罰を与えたりなんて、そもそもそんなことを願ってはいないような気がした。 じゃあ、なにが、この地球で生きることを、囚人として生きることとイコールにしているんだろうか。わたしや、わたしたちが、いつか心底「本当の」自由を感じる日は来るのだろうか。「本当の」自由ってなんだろう。 もしかしたら、一生囚人として生きることになるのかもしれな

          (3)人生は牢獄?アヤワスカで感じたこと

          (2)人生は牢獄?アヤワスカで感じたこと

          祈りの場にいつづけることが耐えられなくなった。わたしにはシャーマンたちの祈りが届かないように思えた。もう無駄だよ、って。 そのままセレモニーの場の外に出て、ぼうっと立ちすくんだ。戻りたくなかった。 すると、わたしの立っている地面が、見渡す限り雪の結晶のような、ほの白くかがやく、神聖な幾何学模様におおわれていることに気がついた。アヤワスカの見せる幻覚。わたしは前回のアヤワスカセレモニーではまったく幻覚を見なかったので、これが初めての幻覚体験だ。不思議なことに、大地以外はす

          (2)人生は牢獄?アヤワスカで感じたこと

          (1)人生は牢獄?アヤワスカで感じたこと

          一晩目のセレモニーが始まった。屋外のセレモニーなのに、強い雨が降っていて、空気がどんどん冷え込んでいく。祈りの場の中央で、焚火が大きく燃え盛っている。雨が降り続いても消えないように、ファイヤーキーパーが熱心に火の手入れを続けている。 アヤワスカを飲んで一時間くらい経ったころ、自分が重い憂うつを感じ始めていることに気がついた。わたしは去年の春にうつの診断をされている。だけど、わたしのうつは波があるので、アヤワスカを飲んでいるうちに、しばらくしたらうつの気持ちは消えるだろう、と

          (1)人生は牢獄?アヤワスカで感じたこと

          連帯するか、個人でなんとかするか

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 ↑上の記事に書いた、ジェニーのファームでのボランティアを通じて出会ったお友達との会話から考えさせられたことを、今日は書きたい。 ジェニーのファーム、ワパトアイランドファームで出会って、そこからときどき、

          連帯するか、個人でなんとかするか

          「そんなあなたを大切にしてくれる職場を探しましょう」

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 以前、このnoteでも紹介したことのある、ナチュロパスの診察をまた受けてきた。 ナチュロパスとは、「体・心・マインド」はつながっているとの前提をもとに、さまざまな不調に対して、投薬や手術だけでなく、ハー

          「そんなあなたを大切にしてくれる職場を探しましょう」

          畑仕事(のお手伝い)が最高のいやし

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 ハロー! 今日は、ポートランドの北にある、ソーヴィーアイランドという島で、畑仕事のボランティアをしてきた。通っているのは、ワパトアイランドファームというファームで、ここのボランティアには、今年の3月から

          畑仕事(のお手伝い)が最高のいやし

          雨でも傘をささないポートランド

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 このブログでは雨の話ばかりしている。今日も雨の話。 数日前から、ポートランドの雨季が始まった。これから来年の5月までは、雨か曇りの毎日が続く。今、ポートランドに住んでいる人たちの頭の中は、「また雨かよ~」

          雨でも傘をささないポートランド

          ポートランドは霧がきれい

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。 ポートランドの西側には、森におおわれた、その名もForest Park(フォレストパーク)が広がっている。都心からアクセスできる公園としては、なんと全米最大だそう。歩こうと思えば何時間でも歩けるようなトレ

          ポートランドは霧がきれい

          春の湖と憂うつの乗り越え方

          放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。アメリカ人の夫マックスと、飼い犬の餅(もち)と暮らしてます。1988年生まれ、鎌倉育ち。 2022年の3月の話。 ポートランドの長引く雨季に、将来への不安、今後の見通しのつかなさが重なって、すっかり落ち込んでしまった私を見て、アメリ

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