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泣きながらファラフェルを食べる

放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。

10月中旬から毎週末、パレスチナの解放のために二人でプロテストに参加している。

先週の土曜日は、パートナーのマックスと、”子どもたちによるパレスチナのためのマーチ”に行ってきた。主催者の人に、大人だけど行っていいですか?ってちゃんと問い合せてからの参加。

パレスチナ側の死者は20000人。そのうち70%が子どもと女性。
死者の平均年齢は5歳。死者の平均年齢は5歳?それが当たり前でいいのか?
少なくともわたしの基準ではそうではない。

マーチにはパレスチナ系アメリカ人の子どもたちも来ていた。この子たちがもし今、ここじゃなくてパレスチナで暮らしていたら?まだ生きているだろうか?と思うと胸がはりさけそうになる。思わずかけよってハグしたくなるけど、知らないおばさんが急に近づいてハグしてきたら怖いと思うから、やめておいた。

集合場所の公園から、子どもたちが先頭になって行進していく。
目指す先は、ポートランド市出身の国会議員の自宅。
この議員は停戦にはっきりと賛成を表明せず、お茶を濁し続けている。
だから、子どもと大人みんなでお願いしにいったんだよね。


ぼくたちがいくところぜんぶで
みんながしりたがる
ぼくたちがいったいだれなのか?
だからおしえてあげるんだ

ぼくたちはこどもだ!
つよい、つよい、こどもたちだ!

ひとをきずつけるのはもうやめて
パレスチナを自由にして!
もうたたかいはやめて
パレスチナを自由にして!


たぶん、大人が考えた歌詞なんだろうけど。
こんな歌を一緒に歌いながら、子どもたちのあとに続いて、大人たちも行進していく。

子どものマーチだから歩く距離が短めに設定されていて、10分くらいで目的地の議員の家まで着いた。子どもたちが議員さんあてに書いたお手紙や、メッセージを書いたプラカード、おもちゃを置いていく。わたしとマックスは折り紙の鶴を一羽ずつ置いた。

子どもが置いていったプラカードの中に、
ママのおさめたぜいきんを使って、ぼくみたいな子どもをころさないで!って書いているものがあって、税金のことなんてよく知っているなあと思うと面白くて、でもとても悲しくて、笑いながら泣いてしまった。

マーチが終わると、もう午後の2時半。お昼は食べてなかったからお腹が空いて、帰りにパレスチナ人が経営してる食堂によってテイクアウトした。ここに寄るのは初めて!

ひよこ豆を揚げたファラフェル、ナスとオリーブオイルのペーストのババガヌシュ、レモンが効いたアラブサラダ、全部美味しかった!ファラフェルもババガヌシュも何回も食べたことがあるメニュー。でも、ここのお店はハーブやスパイスの使い方が今まで食べたことのない独特のものだった。パレスチナのハーブミックスなのかな?

ファラフェル🧆は、カリッ、サクッ、フワッ。たまに、ファラフェルは喉に詰まるくらい硬い団子みたいになってるものもあるけど、そのクオリティはやっぱり論外なんだな、と実感する。ちゃんとした美味しいバージョンを食べないとそういうこともわかんないよな。

でも、今この瞬間、世代を超えてこの料理たちのレシピを受け継いで、家族や友人と食卓を囲んできたパレスチナ人たちが飢えに苦しみ、爆撃で死んでいってると思うと、悲しくて涙が出て止まらなくなった。泣き止んでからまた食べて、こりゃ美味しいなあと思った。

心のどこかで、これだけ現地の惨状が世に広まって、世界各地で大規模なプロテストも起こってるのだから、一時停戦は恒久になるんじゃないかって期待してたんだなと実感する。でもその期待は破られて、この24時間で1000人また殺されてしまった。

夕方は、お友達が誘ってくれた、反シオニストのユダヤ人たちが開催するチャリティイベントに行く予定だったけど、つかれたし悲しくなって行けなかった。また誘ってくれたらいいけどどうかなあ。

たぶんまた次の土曜日にもプロテストに行くと思う。
でも、行かなくて済んだらそれが一番嬉しいな。

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なにごとも遅すぎるってことはないよ。


いざというとき行動に移せるポートランドの人たちがやっぱり好きだな度
★★★★★(☆5つ中5つ)

はじめまして!アメリカに住んで約11年のNanaoです。ポートランドで日々コツコツと楽しみを見つけて生きてるよ。もしよかったら↑のリンクからInstagramも見てみてね。