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スクラブルで白熱言語バトル

アルファベットの書かれた駒を並べて単語を作って遊ぶボードゲーム、スクラブル (SCRABBLE)をご存知でしょうか?海外のドラマや映画で目にしたことがある方も多いのではと思います。

手持ちの7個の駒と盤上の駒を組み合わせて単語を作る


簡単に説明すると、アルファベットが書かれた手持ちの駒を盤上に並んでいるアルファベットと組み合わせて単語を作って繋げて行くゲーム。
アルファベット毎に点数が振り分けられていて、駒の右下に書かれている点数の合計が獲得点数となります。

A、E、Iなどの頻出アルファベットの駒はたくさんありそれぞれ1点が加点され、K、X、Yなど使用頻度の低いアルファベットの駒は1つづつしかなくそれぞれ最高点の10点が加点されます。

単語を作るときには決まりがあって、人の名前や国の名前、商品名、それに短縮形などは禁止です。その代わり動詞はどの活用形でも使用可能、名詞のほかにも前置詞や接続詞もオッケー、国名はダメだけど形容詞は使えるので、例えばJAPON(日本)はダメだけどJAPONAIS(日本の)は使うことができます。


緑色以外の色付きのマス目に当たると獲得点数がアップ!


単語で遊ぶゲームなので、語彙力が必要なのはもちろんですがそれだけではありません。

単語を並べるマス目によっては2倍3倍の得点が得られるマスもあるため、同じ単語でもどこでどう利用するかによって獲得点数が大きく変わります。ただ単語を並べればよいのではなく戦略力が求められるのです。

文字数の多い単語ほど点数が稼げそうだけど、アルファベットの持ち点と置くマス目によっては1文字付け加えるだけの方が獲得点数が高くなることもあるので駒の采配を読むことも重要です。

盤上のアルファベットの並びと手持ちの駒をよくよく見比べて"閃き"を得られるかが勝敗を分けるカギとなるでしょう。


今回遊んだフランス語版のスクラブル。
英語版とはアルファベットの駒の数や点数が変わる。



バカンスで滞在していたお家にスクラブルを見つけ、初めて遊んでみました。
ルールはごくごくシンプルなのですが、これがかなり頭をひねる遊びで、ヒートアップ。義両親とパートナーと4人で毎晩のように闘いフランス語力とゲーム力を鍛えられました。

フランスではとてもポピュラーな遊びで特に義母が強い!義両親は毎朝新聞のクロスワードパズルを解いていることもあって、語彙力がケタ違いです。それに現在の日常会話では使わないような古い単語も飛び出して、世代間で使用する語彙の違いを感じられるのも面白かったです。

フランス語力には結構自信があったのですが3人のフランス人を前に全く歯が立たず、盛大に鼻をへし折られることとなりました。当たり前なのですけどね。負けるとやっぱり悔しいです。
単語の暗記は嫌いですが、負けず嫌いなお陰でバカンス中必死に新しい単語を覚えました。


自分の言いたいことを知っている単語で話すための能動的な語彙量と、相手の言っていることを理解するための受動的な語彙量の違いを思い知り、ギャフン。"分かる"のと"使える"のとは全くの別ものです。
誰かが駒を並べると、あ、その単語知ってた!となるのですが、自分では思いつかないのです。

それにバラバラに並べられたアルファベットから単語を思いつくためにはただの語彙力だけではない、閃きを要求されます。フランス語で文章を書くのとはまた別の語彙力が鍛えられそうです。



初めてスクラブルをした夜は絶望的に単語が思い浮かばず惨敗だったのですが、ニ戦、三戦と勝負を重ねていくうちに段々と頭の使い方のコツが掴めてきました。

初めのうちは、例えば10点加点のアルファベットKが回ってくると、ついついKから始まる単語ばかり探していることにしばらくして気がつきました。
Kから始まる単語を探すのに比べ、Kが間に入っている、または最後に付いている単語を探すのはよっぽど難しく、慣れないうちは思考が近視眼的になるようです。

次第にゲームに慣れてくると、全体をぼぅーっと見ているうちに単語がぼんやりと見えてきたり、手持ちの駒を何度も何度も並び替えているうちにハッと単語を思いつくようになってきます。一歩後ろに下がって見る力がついてきたようです。

スクラブルだけではありませんが、解答が見えない時は寄って考えたり引いて考えてみたり、思考の距離を変えることは有効な手段なのだなと改めて感じました。


私は読み書きよりもどちらかと言うと話す方が得意なので、綴りの記憶が甘いなと反省も。
それに動詞の活用と数字をアルファベットで綴るのも苦手。普段の会話の中では目についていなかった語学力の弱点が炙り出されます。

スクラブルを始めると会話で出てくる単語の綴りを確認したり、Kを含む単語を集めたくなってきます。
フランス語の動詞の活用は時制と人称の組み合わせによって変わるため日本語に比べたくさんの動詞の形があって覚えるのが大変。でも動詞の活用を制するものがスクラブルを制する、と思うとちょっと勉強する気が湧いてきます。

遊びながら自然と単語を覚えるのが楽しくなるスクラブル、言語学習の一手に加えて見てはいかがでしょうか。ゲームアプリもあるようですよ。

日本語でもこんなゲームがあれば老若男女頭をひねって楽しめていいのになーと思うのですが、ひらがなだけでも46文字あるので駒の数が増えすぎて難しいのでしょう。

フランス語版も英語版もあるので、ローマ字を使う言語ならその言語のスクラブルが見つかるかもしれません。


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