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解体される古道具屋さんでトレジャーハンター

子どもの頃の夢、トレジャーハンターを叶えてきました。

ある日、隣町の建築屋さんから「解体される古道具屋さんがあるんだけど、古道具とか木材とか興味ある?」と連絡をいただきました。解体される前に、ほしいものは引き取って良いと言われます。古いものが好きな私たち。パートナーと喜び勇んで駆けつけました。


すでにプロの古物商の人たちが、めぼしいものを引き取った後だったそうです。ですが私たちにとっては、そこはまさに宝の山!
半分崩れかけた古い民家の中に騒然とそびえ立つ、山積みにされた古道具たち!
トレジャーハンター魂が燃え上がります。


「好きなものはどれでも、タダで持って帰ってくれて良いからね〜!」と言われ、建築屋さんとパートナーと捜索開始です。

携帯電話のライトで照らしながら、それぞれ思い思いに掘り出します。箱を開けてみるとお店で使うのにぴったりな新品のガラスのコップが出て来たと思ったら、味のある壺を見つけたり、はたまた用途不明の可愛いものを拾ったり。


それぞれ気に入ったものを拾っては見せ合って、「これは私のキープコーナー!」と捕獲していきます。
みんな目のつけどころが違うから面白い。同じ隅っこを漁っても手に取るものが異なります。手に取ったものに、その人らしさが表れます。自分が見た時には魅力を感じなかったものでも、似合う人が手に取ると、途端に息を吹き返して価値が光ります。

このお家、古道具屋さんは暫く前に廃業していて、長らく空き家だったそうです。
最近、競売にかけられたところ新しい持ち主が決まり、解体して更地にすることになったそうなのですが、解体するにも物が多過ぎて困っていたのだとか。

なんともったいない、しかしなんと有り難いお話でしょう。

要らない人にはタダのゴミの山かも知れません。
しかし価値を見つける人には、宝の山なのです。




戦利品の一部を紹介しましょう!


目を細めて見れば、ハンス・コパー風と言えなくもない花瓶



遠くから見れば、ルーシー・リーを彷彿させなくもない縞々



足つきのお皿
お皿は足が生えると途端に可愛くなります
焼き菓子を乗せると似合いそうです



動物シリーズ、お魚
内側には”滝沢 渡欧記念”という印入りで歴史を感じます
何を入れるのか分からないけれど可愛いケースです


動物シリーズ、お魚2
鱗の感じが良い感じ


動物シリーズ、馬
サビサビも味わい



古代っぽい形が良い花瓶



味のある壺は植木鉢にしようかな



どことなくヨーロッパ風なピッチャー



夏に映えそうなガラスのお皿





これ以外にもまだまだたくさん素敵なものをいただいて、小さなラパンにパンパンに詰め込んで帰ってきました。戦利品を抱えてほくほくです。

もらってきたのは小物だけではありません。大きな長机や木製の渋い梯子はラパンの屋根の上に載せて運びました。ラパンは軽自動車なのですが、ルーフキャリアをつけると大活躍してくれます。

パートナーに「これ、本当に持って帰るの?」と聞かれましたが、梯子って、見つけるとどうしても欲しくなるんですよね。パリでも道で拾ったのをアパートに飾っていました。オブジェとしても可愛いし、いろいろ掛けられて便利です。


壊れかけた古道具屋さんは、床が抜けていたり、埃まみれだったり。くしゃみが止まらなくなりました。外へ出てみると、服は真っ黒です。でも屋根から漏れ落ちる薄い日の光の下、黙々と掘り出し物を探し出す時間は、とんでもなく充実していました。

昔々、父は古着屋さんをやっていて、アメリカへ古着探しに行っていたそうです。
私が子どもの頃、母はアンティークの卸の仕事をしていて、フランスの蚤の市へ買い付けに行っていました。
古いものから面白いものを見つける血が流れているのかも知れません。


持って帰ってきたものたちを一つひとつ洗って綺麗にしていきます。
これはお店で使おうか、こっちはお家で使おうかと、想像が膨らむ時間も豊かに感じます。


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