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「なぜ歴史的に見ると株式市場は右肩上がりなのか? 資本主義との一蓮托生」

「不景気と好景気は順番に来る。日本の戦後もそうでした」

という歴史か経済の授業を学校で受けていて、わしは衝撃をうけました。

「え!!? わかっているの!?」

物心ついたころにはバブルが崩壊し、不景気が延々と続いていた若人にはもはや世の中には不景気しかなく、好景気なんてのは一種のおばけか、滑稽さしか感じていませんでした。

それが歴史的に見れば「ああ、好景気だったらそのうち不景気になるねー」ってな話をされても「きょとん」なわけですよ。

親父が「そのうち、景気よくなるわ」とあっけらかんとしていたのはそういう歴史を体感していたからだったからなのかも、とかいまは思うわけですよ。

よくならなかったけど。

そんな世代にとって、世界経済は歴史的に見ると成長しかない、というのも初めて聞いた時は「え?」というものだったわけですよ。

景気不景気、不況に好況、株式の上がり下がり、と聞きますが、よくなったらわるくなる、悪くなったらよくなる、の繰り返しだとばっかり思っていたわけですよ。

株は下がった時に買って、上がったら売る、というのも上下するものを見極めて買うものだと思っちゃうじゃないですか。

株は長期視点で持つべきだと賢人はいうけれども

「名の通っている大企業。主婦に馴染みにある百貨店などを買うのがいいでしょう」と18時代のニュースで、主婦のミニ株投資をお勧めしていた矢先に「そごう」がポシャったのでした。遠い日の記憶。

経済は全体的には成長しているかもしれないけれども、個々の会社がすべて成長するわけではなし。

種は生き延びることと個の生存は別なのだ。


とはいわれても、その経済の生存さえ、本当に信じられるのか? と思っていたわけですよ。

それは資本主義と株式市場が出来上がってから「そう」だっただけで、ずっと「そう」というわけではないでしょう? そんな甘い話はないんじゃない?

よくいうでしょう? 絶対に儲かる方法なんてない、って。

しかし、点と点が繋がって、ふとおもったのでした。

「なぜ、経済は成長するのか」

「お金の介在する価値とは?」

これはたしか

この本にかいてあった気がするんだけど、違ったらすみません。

この中の小咄で、

とあるところに二人いる。それぞれが生活している分にはそれだけで完結していた。

が、ここにお金が介在すると、価値が倍々になっていくという。

Aという男は家を作るのが得意だった。そこでBは「ひゃくまんえん」を払って,家を作ってもらうように依頼する。

すると、

Aの手元には「ひゃくまんえん」が
Bの手元にはひゃくまんえんを払って手に入れた「家」が手に入った。この家には「ひゃくまんえん」を払ってつくってもらったという価値がある

Aは、その手元のひゃくまんえんで、Bが得意な船を作ってもらうことにした。

すると、
Aの元には ひゃくまんえんを払っててにした船が、
Bの手元にはひゃくまんえんとひゃくまんえんを払っててにした「家」が残りました。

中古や諸々の低減はわかりやすく抜きにすると、
最初は一つしかなかった「ひゃくまんえん」の価値が、三つに増えている

経済とはこういう活動をして、価値をどんどん増やしていく活動なのさ、

と書いてあった、、、ような気がした。

その時は「そんなイソップ童話みたいな話されてもお金がある意味なんてわかんねぇよ!」と思ったんだけど、

資本主義とは、価値の拡大再生産を延々行なっていく、ということを踏まえると、このAB御両人がやっていることを永遠に行い続けていくのが、経済であり、株式市場なんだな、と腹に落ちました。

この腹に落ちる、が個人的には大事なんだとおもうんですよね。

経済ってのは歴史的に見ると成長しているんですよーとかいわれても、

「だからなんだよ!」

としか思わないわけですが、小咄を踏まえてみると、そもそも経済とは拡大にむかう宿命しかなく、それが完全に破綻した場合は、そもそも資本主義経済の根幹が立ち行かなくなる、ということなんだな、と。

もちろん、その中で不況好況はあるかもしれないが、それでも最終的に成長にむかうだろう、といえるのは、そういう理屈を信じているかどうか、信じられるか、ということなんだろう。

資本主義の終わり、経済の終わり、市場の終わり、とはよく言われます。

しかし、本当に終わる場合は、根こそぎ壊れることを指すはず。
そのいま立っている足場自体が崩壊することを意味するはず。そのかわりになにが反映するのか、貨幣がもたらす幻想以上の幻想がなければ。

逆に貨幣と経済がもつ幻想とは、究極、拡大に紐づくものなわけで、それがゆったりまったりとする「脱成長」が、しなやかに成り立つのだろうか、とも思うわけです。

何が言いたいかといえば、なにかを信じるにも、腹落ちが大事というわけです。

腹落ちすれば行動できる。

「お前は必ず勝つ。ただし、俺が生きているとは限らない」


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