見出し画像

国連で示されている世界の良識

ロシアがウクライナ侵攻を始めてから1年が経ちました。いまだウクライナで戦争が続いていることが悲しく辛いです。

2023年2月23日には国連総会緊急特別会合でロシア軍の即時撤退やウクライナの平和達成を求める決議案を賛成多数で採択しました。

[NHK 2023年2月24日 10時31分]

国連のツイッターによると賛成、反対、棄権は以下の通りです。

賛成国:141か国
反対国:7か国 (ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、マリ、ニカラグア、シリア)
棄権:32か国 (アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、バングラディシュ、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ、中国、コンゴ、キューバ、エルサルバドル、エチオピア、ガボン、ギニア、インド、イラン、カザフスタン、キルギスタン、ラオス、モンゴル、モザンビーク、ナミビア、パキスタン、南アフリカ、スリランカ、スーダン、タジキスタン、トーゴ、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナム、ジンバブエ)

ロシアがウクライナ侵攻を初めてから、国連総会が決議を挙げるのは6回目です。
昨年3月2日にロシアが侵攻開始後初めて採択された国連決議案の賛成国数と同数でした。

賛成国:141か国
反対国:5か国 (ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリア)
棄権:35か国

ロシアのウクライナ侵攻に反対し、ウクライナの恒久平和を願う国々は、この間も一貫して投票国の8割近くいるという事実は重要だと思います。

そして今回の決議では、国連憲章の原則に沿ってウクライナの永続的な平和を達成する必要性を強調し、外交努力への支援を倍加することを加盟国や国際機関に求めています。また、ロシア軍のウクライナからの即時、完全、無条件撤退を求めています。ロシアによるウクライナでの犯罪について公平で独立した調査と裁判を要求していて、ロシアの責任を問う必要性も明記しています。

国連憲章の原則とはなんでしょうか?

国際連合広報センターのホームページには国連憲章の目的と原則、そして国連憲章テキストが日本語で掲載されています。

私は今回の決議でまず重要なのは、いろいろな価値観で世界を分断するのではなく、国連憲章の原則を守ることが必要だと強調している点だと思います。当たり前のことですが、加盟国が国連憲章の原則を守れないということは、今回の決議のように国際社会の理解は得られないということなのです。

ロシアは今回の侵攻で、大変な負の歴史を背負っていくことになります。政府の暴走を止められなかったロシア国民も、これからずっと国際社会の非難を背負っていかなければならないでしょう。

国連憲章とはそれほど重みのあるものだと思います。ロシア政府は国際社会の良識から外れているということを深く認識して反省するべきです。

私たちも日本政府も、国連憲章をもう一度深く理解し、安全保障の進むべき道を考えていく必要があると思います。

国連には平和を守る力が無いという人もいますが、システムはともかく、国際社会の常識は国連憲章に示されており、国連決議が国際社会の良識を良く示していると思います。大国といえども、この良識を踏みにじることは国際社会の中で歴史的汚点を残すことになるし、孤立を深めるのだと深く覚悟する必要があると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?