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科学技術で私たちは生活を豊かにしてきたか?

「科学技術は私たちの生活を豊かにしてきたか」と自問したときに、例えば地球温暖化問題や大気汚染・水質汚染などの公害問題、プラスチックなどに代表されるごみ問題、交通手段の発達による交通事故などの問題、インターネットの発達などによる犯罪や個人情報流出問題など、私たちの生活にとってのデメリットに目を向けると、科学技術に対して否定的な答えが出てきてしまいそうな気もします。

一方で、科学技術はそのようなデメリットを克服できる可能性を秘めているとみることもできます。

例えば私が子供の頃の大気汚染、特に光化学スモッグは今とは比べ物にならないほどひどいものでした。晴れた風のない日の午後、校庭などで遊んでいると胸が苦しくなることが何度もありました。光化学スモッグ注意報や警報が頻繁に発令されて、外で遊ばないように注意されることがしばしばありました。

上記の東京都の光化学スモッグ発令状況及び被害届出数を見ると一時期よりも明らかに減ってきています。

例えば交通事故死者数の推移を見ても、一時期よりだいぶ減少しているように見えます(人口当たり、自動車数当たり、走行キロ数当たりでみても死者数は減少しているように見えます)。

科学技術の発展による事態の好転、ルール・規制等による事態の好転、企業や各人の意識改革による事態の好転、いろいろ要因は考えられると思いますが、科学技術が事態の好転に貢献していることも間違いないことだと思います。

「科学技術は私たちの生活を豊かにしてきたか?」と問いかけることも可能ですが、「科学技術で私たちは生活を豊かにしてきたか?」と問いかけることも可能だと思います。

生活を豊かにするのは私たち次第なのだと考えれば、「科学技術で私たちは生活を豊かにしてきたか?」と問いかけながら、自分たちの行動を見直し、豊かにしていく努力をしていくことが大切なのだと感じます。

私たちが声を上げて、戦争、核兵器、原発など、短時間で環境を長期的あるいは不可逆的に破壊する恐れのある活動を禁止、あるいは慎重にさせること。企業はHSE (Health:健康・Safety:安全・Environment:環境) に十分なコストをかけられるビジネスモデルを確立すること。私たち自身が専門家の力を借りながら受容できるレベル (社会的受容のレベル)を科学的に決めていくことなどが大切なのではないかと感じています。

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