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6月23日 慰霊の日

6月23日は沖縄県が制定する「慰霊の日」でした。太平洋戦争で激戦地となり、沖縄では地上戦で20万人以上が亡くなったと言います。

想像するだけでも恐ろしいことですが、朝日新聞デジタル (2023年6月22日 18時27分) によると日本側の死者は18万8136人、このうち沖縄県出身以外の日本兵は6万5908人、沖縄県出身の軍人・軍属(ぐんぞく)(正規の軍人、防衛隊や学徒隊など)は2万8228人、一般の住民は9万4千人で県民の4人に1人が亡くなったそうです。

自然災害として戦後国内最大の犠牲者を出した東日本大震災 (震災後に避難生活などで体調が悪化して亡くなった「震災関連死」に認定された方々も含めた死者・行方不明者が2万2215人 - 2023年3月10日 17時20分 NHK NEWS WEB) であることを考えると、沖縄の人々にとって沖縄戦がもたらした傷跡は、亡くなった人の数だけを見ても私たちには簡単には想像もできないほど深いものだと思います。

玉城沖縄県知事が「あらゆる戦争を憎み、二度と沖縄を戦場にしてはならない」と決意を述べた背景も、「反撃能力」の保有を明記した「国家安全保障戦略」など3つの文書をめぐり、「沖縄における防衛力強化に関連する記述が多数みられるなど、苛烈な地上戦の記憶と相まって、県民の間に大きな不安を生じさせていて、対話による平和外交が求められている」と訴えた背景も沖縄の歴史や現状を考えれば当然とも思えます。

[NHK NEWS WEB 2023年6月23日 18時19分]

沖縄には国内の米軍基地が明らかに偏在しており、敵基地攻撃が可能なミサイルの沖縄への配備も今後進められていくことでしょう。

岸田首相が述べた「世界の誰もが平和に暮らせる世の中を実現するため、不断の努力を重ねていく」の「不断の努力」の中身が「脅威には防衛力強化で対抗する」ということであるのならば、私たちは過去の戦争から何も前進していないように感じます。

いつかは科学 (自然科学や社会科学) の研究や教育が進んで、私たちの社会が成熟していき、だれにとっても戦争を準備したり戦争を起こしたりすることに全くメリットが見いだせないような社会・経済構造や国家間の枠組み、条約、不平等の解消などが出来上がっていくことを期待します。

私たちは国家間の対立を乗り越えて、粛々と市民同士の国を超えた文化や価値観の理解と尊重を進めていくことが必要なのだと感じます。

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