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「IT未経験者に無料で研修」で情シスが思ったこと

人材サービスのマンパワーグループ(東京・港)が顧客企業に派遣するITエンジニアの短期間育成を進めている。未経験者対象の研修を無料で提供し、ITスキル習得後に希望者は面談を経て採用している。2024年以降は年間500人ほどを育成する。即戦力の獲得競争が激化するなか、未経験者を短期育成して、早期に戦力化する。

上記記事より抜粋

以前SESの会社で採用・教育・売り込みをやっていたことがあるので思うのですが、研修をして戦力化すると言うのはなかなか難しいです。義務教育において、同じ教室で同じカリキュラムを受けていても人によってテストの成績は全く違うのと同じように、ITの研修をしてもみんながみんな同じことができるようになるわけではありません。

上記の記事によると、受講者はネットワークや情報セキュリティを学ぶということなので、おそらく比較的派遣での採用が多いヘルプデスクがターゲットなんじゃないかと思います。

知識に差が出ると言うのは、研修だけでなくOJTや実働でも同じです。

ヘルプデスクは私も経験があるポジションなので実体験として持っているのですが、派遣でヘルプデスクとして3年間働いていても、サブネットマスクが設定されている理由について、「考えたこともないです」という人もいれば、「ネットワークアドレスを定義するためですよね?」という人もいます。

言葉にすれば大したことないですが、何故その作業を行っているのか理解してしている人もいれば、手順書に書かれているまま何をしているか理解しないで3年以上作業している人もいるわけです。この2人がトラブルシューティングをした際には、解決時間に結構な差が出ると思われます。

実際に働いていても教育を受けても知識には差が出るのでこの点はどうしようもないです。派遣会社としては安定性やクレームを避ける意味でも知識の吸収が早い人を稼働させたいはずです。そういった点を勘案すると、上記の入社前研修には未経験者の教育というだけでなく、ITに向いていない人を稼働前に弾く装置という側面もあるのかもしれないですね。

弾かれるトレイニーにしても、すぐに職には就けなくても無料でITの基本知識を教えて貰えるので損はないような気がしますし、少しビターな感じはありますがWin-Winと言えなくもない気がします。

#日経COMEMO #NIKKEI

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