新潮社の本 購入品とおすすめ

Twitterで新潮社がはなった みるにたえない金ぴか男の広告が話題になって(炎上して)いたので いままで購入した新潮社の本をブクログで確認してみた(二番煎じである)

7年ほどで63冊登録 読んだものもそうでないものもある 漫画が50冊くらいでほとんどコミックバンチ連載ものである 印象に残ったものをアトランダムに紹介してみる

マイク・モラスキー編「闇市」 闇市テーマの短編を集めたアンソロジー まだ読み切れていないが入手する価値はあるだろう

「少年ゲリラ兵の告白 :陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊」これも読み切れていないが 沖縄戦における日本人少年ゲリラ兵についてNHKが取材したまとめ あまり言及されにくい題材

「なぜ時代劇は滅びるのか」春日太一 2014年に書いたメモを再掲する

ここ1年ほど昭和40年代頃までの日本映画を集中的に観ていて、当時の時代劇の面白さにびっくりしていたが、なぜそれが衰退してしまったのかはよく分からず、本書を読んで腑に落ちた。時代劇が衰退した原因はいくつも挙げられているが、これはアニメやマンガ・音楽・TVなどの他のメディアにも共通するリスクだと思う。興味深いのはマーケティングの細分化・効率化であり、たとえば1996年から視聴率調査の細分化が行われて年齢別の視聴率が明らかになり、それによって時代劇のターゲティングが大きく変わっていったなど、これはアニメや音楽にも通じるのではなかろうか。また、TV産業が肥大化するにつれて効率化から過度のリスクヘッジを行うようになり、企画がどんどん無難になっていき、結果的にコンテンツが貧しくなるという流れも興味深い。コンテンツを持続可能な形で生み出すエコシステムというものを考えてゆかねばならず、たとえばディズニーなどは(成功しているかはともかくとして)そのような視野を持って世界戦略を行っているが、日本のTV・映画産業ではそこまでグランドデザインを持つことができなかった。これは戦略的な無知による必然的な結果であり、時代劇が衰退する布石はいずれも十数年以上前に蒔かれていて、昨今になって生じたものではない。人材が豊富である時期に、その豊饒さに甘えて、焼き畑的なコンテンツ制作方法に陥ってしまうリスクを乗り越えることはできないのだろうか。

「ほぼほぼほろびまして 」吉沢 緑時えがく変格ゾンビサスペンス。登場人物のいっけん無感情なトーンが逆に緊張感を盛り上げている。つづきが待たれる。

「向う側への旅」J.M.G.ル・クレジオ 新潮社は海外文学の老舗でもあり、「現代世界の文学」シリーズではガルシア・マルケスやジョン・バースなどいろいろ出ていた。マルケスは作品集としてまとめて再刊されている これはル・クレジオによるふしぎな物語だがヒッピーの生活を描いているだけなのかもしれない・・・