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不思議な声

私の母は44歳の時
肝臓と膵臓の癌で亡くなった

私は20
母の最期が迫る中
病室には次々に
縁ある方々が母に声をかけに来てくださった

母はモルヒネで意識がない状態
私はずっと手を握って
その方々がかけてくださる言葉を
聞いていたのだけれど

その度頭の中に母の声で
その方への返事?らしきことが聞こえてきた

「うん?これは私の想像?」
と不思議に思いながらそれぞれへの言葉を
忘れないようにと記憶した

母は本当に幸せ者で
病室に入りきれない方々が
入れ替わり立ち替わり
声をかけに来てくださった

ある人の番になった時
さらに不思議に思いました

母の兄の奥様、義理のお姉さんが
声をかけてくれた時

声「みっちゃん、指輪をくれてありがとう。
嬉しかったよ」と聞こえました。


私「指輪?へぇ、そうなんだ」
指輪をいただいたとは
聞いた事がなかったからです


そして全ての方から
声をかけていただいて
1番最後に


声「恵、あんたお父さんのこと
嫌いって言うけど、あんたには
たった
1人のお父さんなんだからね。」
と聞こえました

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今日この言葉を思い出して
母の声で頭に響いて思わず泣きました
そしてこれを書くことにしました

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お通夜の晩に残ってくださった方々に
御礼を伝えようと挨拶をしていました

その時に「信じるかわからないけど」
と前置きをして母の声からの
メッセージを伝えました

そして
母の兄の奥さんへ
「指輪、くださったの?
嬉しかったと聞こえました」と伝えたら

「え!なんで知ってるの?」と言われ

やはり母の意思が私に伝わっていたんだ
と確信しました


お母さん!ちゃんと伝えたよ!

あれから29年かぁ
そんなに経つけれど
周りの人達はいつも母の話を
今も居る人のように笑って
話してくれます

姿は見えなくなっても
母はずっとみんなの中に
生き続けてるんだなぁって


もうすぐ母の日ですね

私も歳を重ねるにつれて

母を思い出したり母に似てきたり
母を見習ったりする事が
増えてきました


お母さんありがとうね
大好きだよ

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