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解体作業

納屋を店舗にして商売をするにあたり、当然ながら駐車場の確保が課題になった。この辺りは農地の区画整理がしっかりと行われており、地元の農事組合法人が広域に管理している。また、空き家が少なく(居住していなくても持ち主が定期的に世話をしている)、空き地というのも存外少ない。そのため、うちの敷地内で駐車場を確保せざるをえないということになったのだが、土地面積そのものはそれなりに広いものの、母屋、納屋、旧馬小屋、蔵などの建物が並んでいるため、実質的に駐車できるスペースはそれほど広くない(これについては最後まで解決にいたらなかった)。

解体前

そういうわけもあって、旧馬小屋の横にくっついていた材木置き場を解体、撤去して、駐車場スペースの足しにすることにした。これは費用の問題もあり、セルフで行った。

解体中

まずは収納されていた材木を整理。命綱をつけて屋根に登り、瓦外しから始めて、慎重に解体を進めていった。下から見ると大した高さではないが、経験のない素人からすると、足がすくむ。しかし、納屋でハシゴの昇り降りを繰り返していたこともあってか、次第にこの状態にも慣れてきた。やがて作業は滞りなく完了。

この時期は経験のないことに挑戦するのが楽しかったのだと思う。この解体も、よく観察しながら作業を進めることで、建物の仕組みがわかってくることに何ともいえない喜びを感じていた。

解体後

後に残った基礎の部分は、近所のOさんに貸してもらったハンマーで叩き、それなりに破壊したものの、最終的には駐車場を整地してもらう際に、地元の土建屋さん(同じ町内のAさんからの紹介)にきれいな状態にしてもらった。

「そんな板本当に使うんですか?」と大工さん

作業完了後、アドレナリンが出ていた(?)私たちは、「ただの壁なのももったいないなあ!」などと考え、いろいろなところにあった板の端材や何かで、ちょっとしたコラージュのような壁を作った。てんで必要のない、本筋からは大きく離れる試みだったけれど、当時はこういうことが楽しくて仕方なかった。そういうエネルギーのようなものが、確かにあったのだ。

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