たかが食パン3枚にめちゃくちゃ悩まされた話
のどかな昼下がり。私は公園でレジ袋に入った3枚の食パンを眺めて途方にくれていた。
そもそも本を返しに図書館に来たのだ。公園が隣接していてデッキ席もあるので、いい天気だし何か飲みながらひなたぼっこ読書しようとコンビニに向かった。
飲み物を物色していると、60代半ばくらいの見知らぬご婦人に声をかけられた。
「おねえさん、急に申し訳ないんだけど。失礼なお願いしていい?」
なんだ?なんか勧誘的なやつ?
あ、お金貸してとか?
実際は「食パンを買いたいのだが、一人暮らしで食べきれないから半分もらってくれないか?」というお願いだった。
「いいよ〜ウチも助かるしシェアしよ」なんて言えるかー!ママ友とコストコかよ!
コロナ禍もあり返事に困っていると「捨てちゃうの罰当たりでしょ」とさらに押され、冷凍を提案したが面倒だと却下され…。
断りきれそうにないのでとりあえず引き受けることに。半額出すと言っても断られ結局お裾分けしていただくことになった。
ご婦人はレジでわざわざ分けたパンを入れるレジ袋まで購入してくれた。食パンの袋を開けて「私の手で触っちゃ嫌だろうから、あなたここから半分取って」と差し出された。
「あ、は、はい〜😅」と、そろりそろり食パン3枚つかんだら、ご婦人はそれを入れるためのレジ袋を開けてくれた。
その時、袋がなかなか開かなくて、ご婦人が…
指をペロリ。
「ひぃー!!今なめたよな?なめたよな?? あんたぁ…なめたらあかんぜよ〜!!」(心の声)
私はパンを入れる時なるべく“舐めスポット”に触れないようにしたが、いやらしくまとわりつくレジ袋。
とにかくお礼を告げて、その場を退散した。
図書館に戻り、入り口にある消毒スプレーで念入りに手を消毒。ええいっ、ついでに食パンの袋にもシャーッ!シャッ、シャーーーッ!!
びちゃびちゃやん。ますます唾を連想させるやん。
てな訳で、ベンチで食パン入りびちゃびちゃ袋とにらめっこである。
うーん…荷が重いよ〜。
鳩にあげようかな〜。
あの池に鯉おるんかなぁ。
ミミに何かタイトル書いて図書館の本棚に差しこんだろかな(サイズ的に良さそう)。
気を取り直して館内に戻り、本を見ていると福袋コーナーがあった。
図書館スタッフが好きなテーマで選んだ本3冊が入った紙袋を福ごと借りて帰宅してから開封するシステムらしい。
「飯テロ」袋があった。あぁ、ここにこの食パン入れたい!(テロ感の演出できそう)
…くだらないことばかり考えて読書どころではないので帰ることにした。本より重たい食パン3枚をぶら下げて。
なんだか疲れた一日だったが、noteのいいネタ仕入れた一日でもあった。結局よう食べんかったけど“おいしい”食パンだったなぁ。
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