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わたしと映画(白黒の世界)

配信などない時代に子供時代を過ごしたので
映画といえば『金曜ロードショー』『日曜洋画劇場』『ゴールデン洋画劇場』などで観るものだった。親に映画に連れていってもらった記憶はほぼないが、親子三人、いわゆるお茶の間でよく映画を観た。

中学あたりになり、ビデオデッキが家にやってくると深夜に放映されていた映画を片っ端からなんでもかんでも録画して観た。今ならタイトルを検索して自分好みっぽい作品だけを効率よく選べるが、当時はそんな便利な手段は存在しないのは勿論、知識もないのでとりあえずなんでも録画した。そして時々「何、これ!!」と心を持っていかれる作品に出会った。例えば…

『ジャン・コクトー』特集。
美女と野獣、双頭の鷲、オルフェ、悲恋を放映していて、なんだかもうぞくぞくしたのを覚えている。ちょっと見てはいけない世界をのぞいているような。野獣の手の中で、ばらばらの真珠がネックレスになる場面がとても好きなのだけど、当時では最先端の技術だったのだろうか。

『ジェラール・フィリップ』特集。
私はキラキラのいわゆるイケメンにはあまり反応しないのだけど、「こんなきれいな人が存在したのか!!」と完全にはまった。特に笑顔が可愛らしくて大好きになった。彼は袖がたっぷりとしたブラウスが、とてもよく似合う…

『飾り窓の女』
最初に観たとき、「私はこういう雰囲気の映画が大好きだ!」と思ったけど、それがフィルム・ノワールというジャンルであると知るのはずっとずーーっと先のこと。ビデオテープの時代が終わって録画したものが観られなくなってからは、ディスクをレンタルして何度も観た。

モノクロの作品には、しっくりくるものが多かった。


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