死を拒絶することは、生を拒絶すること。

" こだわりの素敵なお家" を訪問する番組がある。
なかなか面白い。
ぼーっと観ていたら、「ジャパニーズスタイル」のお家が映し出された。
お部屋のテーマは「Wabi Sabi」だそう。
侘び寂び?
パーフェクトでない状態がパーフェクト。
カップはボロボロ、お庭はアシンメトリー。

やりたいことは理解できる。
だけどなんか知ってる侘び寂びと違うなあ。

憐れ
風情 
儚い 
諸行無常の響きあり

ほかの言葉でどう説明する?

" 終わりゆくものにしか感じられない切なさ" 
" 死が決まっているものがそこにある美しさ"
" 終わりゆく過程?"

わたしのワードの限界はこのくらいだ。
こういうほかの文化の感覚を大人になってから身につけるのは不可能に近いと思う。




手嶌葵の歌に惹かれて、「ゲド戦記」を観てみた。

うつ状態の青年、アレン
憎い父親を殺してしまう。

人はいつか死んでしまう。 
終わりが来ることがわかっていても、それでも生きていかなければいけないのか?

アレン


え、わたしなの…?
実際に母を殺してないってだけ。



あなたが怖がっているのは死ぬことじゃない。
生きることを怖がっているんだわ。
死んでもいいとか、永遠に死にたくないとか、そんなのどっちでも同じ、一つしかない命を生きるのが怖いだけよ。

テルー


ちょ…
なんだこれ。


わたしは怖いよ。

同じ失敗を繰り返すことが。
過去を背負って生きていくことが。
生きた分だけ、傷が増えていくことが。

だけどどうすれば良い?


この世に永遠に生き続けるものなどあり はしないのだ。 自分がいつか死ぬことを知っているということは、 我々が天から授かった素晴らしい贈り物なのだよ。

ハイタカ



16年前にこの映画を観たときは、こういう言葉はなにひとつ響かなかった。

物事には触れるべきタイミングというのがたしかに、ある。



ちなみに「ゲド戦記」は宮崎駿の息子、宮崎吾朗のファースト監督作品。
この映画の出来に宮崎駿は激怒、試写会を退席したらしいが、才能高き彼も父親としては最低だなと思う。(作品は素晴らしいと素直に思ってます。)




あーあ、
最近、何を考えれば良いのか分からない。

自分を見つめなきゃ。
勉強も全然してないよ。


なんにもない。
全部あるから?



わしらが持っているものは、いずれ失わなければならないものばかりだ。

ハイタカ


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