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障がい児の親は「共働き」が基本


僕の家庭は、もう長らく共働きで生活しています。

子どもに障がいがあるとわかった時、一時的に妻が退職して専業主婦になったのですが、生活が苦しくなり職場復帰。
以降はずっと共働きです。



子どもの同級生の親は育児や療育の時間を大切にするために、主婦やパートタイムの人が多かったように記憶しています。

それでも僕たち夫婦は、今に至るまでずっと共働きで生活してきました。

夫婦が共に働くことは、子どもと過ごす時間を削ってでも、有り余るメリットを感じていたからです。







共働きをすると、家計が安定します。

どちらがの親がはたらく場合に比べて、単純に収入が2倍になるからです。



夫だけが働いていて、その夫が病気を患ってしまったら、たちまち生活が苦しくなってしまうリスクがあります。

子どもが健常であれば、妻が働けば済むだけかもしれません。

しかし、子どもに障がいがあると、すんなりとはいかない可能性があります。

お母さんのいない状況でも安心して過ごすことができるのか、身の回りのことで困ることが起こらないのか、ということに配慮が必要になってくるからです。



親がべったりという状況であれば、1人で家で過ごしたり、自分で身の回りのことをしなければならない状況に、すんなり適応できない可能性があります。

その点、共働きをベースにしていれば、親と離れて過ごすことへの慣れや生活のしくみが出来上がっているため、そういう心配はありません。

長い目で見れば、子どもの安心感を確保することにつながるのです。




子どもの同級生の親の中には、病気や離婚で生活の変容に迫られている人を目にすることがあります。

僕は医療・福祉の現場でも様々な家庭の事情に触れてきました。

それらの経験から、病気や離婚などのアクシデントは対岸の火事なのではなく、いつ自分の身に降りかかってもおかしくないことだと考えています。






仕事をしていると、目の前のことに意識を集中しなければならない時があります。

仕事に集中するために、一時的に子どものことを忘れる必要があるのですが、このことは育児にメリハリをつける上で、価値があることだと考えます。

どんなに子どものことで悩んでいても、仕事に集中しているときだけは忘れられるからです。




専業主婦で育児にストレスを抱えてしまうと、なかなか解消することは難しいのではないかと思います。

妻は、専業主婦よりも仕事をしているときの方が、気持ちが楽だと言っていました

育児と仕事、どちらかがうまくいってなくても、もう片方がうまくいっていれば、心のバランスが保ちやすいからです。

共働きには、心理面でそういった効果もあるように思います。









仕事をすることで、育児とは異なる役割や時間を持つことは、「問題からのズームアウト」をもたらします。


社会人として働く時間は、リアル育児から少し距離を置くことができます。

育児を少し離れたところから考える機会を提供してくれるのです。

問題を解決するためには、問題からズームアウトし、離れた視点から全体を見ながら、俯瞰で考えることが解決への糸口に繋がります。

仕事をすることで、育児の問題を客観的に考える時間を定期的に持つことができるのです。




目の前にいる子どもを見ながら落ち着いて考えることは、意外と難しい。

だから、離れたところで考える。


子どものために客観的に良いことをしていくために、あえて育児から離れる時間を作ることが大切なのだと思います。




仕事をしている時間、ふと子どもの気持ちに気づいたり、悩んでいることの解決策が、急に頭の中に浮かんだりすることがありました。

そういう閃きのようなものに、何度も助けられたようにも思います。






共働きで家計が安定すると、親もいろいろと言い訳をすることができます。

「夫婦で頑張って働いてるのだから、家族みんなでお出かけしたり、夕食作りをサボって外食するくらいのご褒美は当然いいよね」

そう胸を張って言いやすくなるのです。




家族で過ごした楽しい思い出は、その後の育児がうまくいってもいかなくても、親にとってはかけがえのない思い出になります。

子どもが大人になったとき、親である自分に残るのは子どもとの楽しかった思い出だけなのかもしれない。

そう思うことがあります。



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