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ジブリで千と千尋が好きな理由

「ジブリ映画の中で何が一番好き?」

この質問は誰しもが一度は
されたことがあるのではと思う。
もしくはしたこともあるのでは、と。

もののけ姫やラピュタ、
耳をすませばあたりが僕のよく聞く答えだけど、
やっぱり「千と千尋の神隠し」は、
好きな人が多い印象だ。

そして僕もその質問をされたら、
「千と千尋の神隠しです。」と答える。

リール動画作成時のイラスト

好きっていう感情は理屈じゃないので、
理由はなくていいと思っているのだが、
この件に関しては自分の中で
「なぜこの映画が好きなのか」が
明確に言語化できている。

ちなみに、
「好きなディズニー映画はなんですか?」

と聞かれたら僕は
「ピーターパン」と答える。

それも同じ理由だ。

千と千尋が好きな理由

(自分の好きなアニメや漫画を振り返ってみると
全部同じ理由なのだが、)

僕の好きなのは「昔々あるところに」ではなく、

現実世界に生きる主人公が、
非現実世界へ冒険に行き、
最終的には自分の元いた現実世界に帰ってくる。

というこのストーリー展開がとても好きなのだ。
千と千尋の神隠しはまさにこのストーリー展開。

(え、ほとんどそうじゃん。と思うかもしれないが、
例えばもののけ姫なんかは
スケールこそ壮大であるけれど
生きる世界と冒険の世界は同じ舞台だ。)

ピーターパンに関してもそうだ。
ウェンディたちが住むロンドンという世界があり、
そこからピーターパンに連れられて、
ネバーランドという非現実世界へ冒険に行く。
そして最終的にはロンドンに帰ってくる。

ネバーランドに行き、ロンドンに帰る物語


何故このストーリー展開が好きかというと、
最終的には現実世界に帰ってくる」からこそ、
冒険の舞台になる「非現実世界」がとても刹那的で、
かけがえのないものに感じるからだ。

そこでの経験が非常に貴重でもあり、儚くも感じる。
だから僕は引き込まれる。

それに「非現実世界」が存在することで
今生きている自分たちの世界が確かなものだと
強く実感できるからでもある。

すずめの戸締り展での衝撃

「ジブリ映画の中で何が一番好き?」

と質問されたら僕は、
「千と千尋の神隠しです。」
という答えとともに、
上記の理由を必ず説明してるので
質問した人に鬱陶しく思われてるだろうなと思う。

自分でも鬱陶しいなと思いつつも、
言語化できている自分が誇らしく口が止まらない。

いつもそんな風にしていたのだが、
去年開かれていた「すずめの戸締り展」にて
新海誠監督が僕と全く同じことを述べていたのだ。

その時の衝撃と、
「同志!!」と思ったことは
いうまでもない(おこがましいにも程がある)。

衝撃の出会い。


後から聞いたり調べたりしてわかったのだが
そういうストーリー展開のことを
「行きて帰りし物語」というらしい。

でも確かに雀の戸締まりも
「行きて帰りし物語」だった。

理由を言語化したかった理由。

そもそも何故、
千と千尋の神隠しの好きな理由を
言語化しようと思ったのか。

それは完全に、
天邪鬼かつ人と同じことが嫌いな僕の性格の問題。

最初に書いた通り、
ジブリで好きな映画に千と千尋を挙げる人が多く、
だからこそその中の1人に過ぎないのが嫌だった。

「海が聞こえる」とか「ゲド戦記」とか答えれば
そうそう被らないが嘘はつきたくない。

自分だけの好きな理由を見つけたかったのだ。

でも前述の通り、その理由もすでに言語化された
「行きて帰りし物語」という表現として
まとめられていたので、
結局やれやれという感じである。

だけど、今回の質問で同じ映画を答えたとしても
その理由は人によって様々なんだろうと思う。
「好き」を言語化することは、
できることもあればできないこともある。

だけどそれが言語化できる場合、
「答えは同じでも理由は違う」と、興味深いし
そこにそれぞれのパーソナリティというか
個性が現れる気がする。

「ジブリ映画の中で何が一番好き?」と質問し、
「千と千尋の神隠しです。」

と答えた人に、
今度は僕からその理由を聞いていきたいと思った。

おしまい。



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