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「少年野球チーム」は永遠にモメ続ける!と思う理由。

私の作品に「颯太のテニス日記」というソフトテニスを題材としたマンガがあります。中学生の部活動でありがちな価値観の違い・・・「勝つためにやるのか・楽しむためにやるのか」といったテーマを主軸に描きましたが、それは今、息子がやっている少年野球でも永遠のテーマだなと思います。野球が大好きなお子さんがいて、これから少年野球チームに入れようかなと思っている方の参考になればと思います。

野球人口減少の理由としてよく「少年野球チームがブラックだから」と言われますが、最近はそれもずいぶん改善された印象があります。監督やコーチの雰囲気が下品なチームはまだまだ多いですが(笑)、大会規約に「指導者や保護者の罵声を禁止する」とハッキリ書かれている大会も増え、実際に指導者が退場させられた例もあると聞きます。また、少年野球チームのHPを見ると、「お茶くみ当番など保護者の負担はほとんどありません!」とうたっているところが多く、その意味でもずいぶん改善されているのではと思います。

ただ、実際に息子が少年野球チームに入っている保護者としては、そもそも少年野球自体が・・・というか、ボランティアの指導者が教える「スポーツ少年団」的な組織自体が矛盾の塊なので、今後も大なり小なりもめ事は絶えないだろうなと思います。

何年か前、元プロ野球選手の里崎さんが新しく開く少年野球教室の役員?的な立場になったという動画を拝見しました。お金をきちんといただき、それに見合った指導者が指導し、親の負担はほぼゼロ。子どもたちのポジションはなるべく固定せず、試合も勝つことより経験を重視するというお話だったと思います。

とても理想的ではありますが、ひとつ「今後もそれが続けられるのかな?」と、ちょっと意地悪な気持ちで聞いていたことがありました。
それは「試合の勝ち負けを重視しない」という部分です。

良識的な指導者や保護者であれば、ほとんどの人が理性の部分では同じことを思っています。
「たかが少年野球だから、楽しいのが一番!」と。
でも実際にチームに入り、毎週土日、朝から夕方まで練習に励む子どもたちを見ていると、また、チームによってはお父さんたちが熱心に協力し参加していたりすると、どうしてもみんな「勝ちたくなる」のです。
それは現場で直接関わっている人ほど、本能的にそうなってしまいます。

また子どもたち自身も、純粋に自分の技術の習得や成長だけを目標に頑張ることができるでしょうか?「次こそはあのチームに勝とう!」「勝ってメダルを手にしよう!」という共通の目標やモチベーションはチームスポーツとして必要であり、また、勝ったときの喜びがあればこそ練習も頑張れるのです。

つまり「一生懸命練習はする。でも試合に勝たなくて良い。」という理論が現場レベルではなかなか成立しないのが少年野球で、「勝つ楽しさ」も野球の楽しさの一つであることを否定できないという矛盾を抱えているのです。

で、勝ちたくなると結局こうなります↓
◯ピッチャーを筆頭に、ポジションがある程度固定される
◯レギュラーと控えが明確になる
◯練習でやったことができない選手にキツイ言葉が飛ぶ

こうなってくると、保護者の方にもちらほら不満が出てきたりします。
面白いことに保護者の側も「体力がついて楽しめれば良いよね」と思って入団させたはずが「試合に出て活躍してこそ!」という思考にシフトしていってしまうんですね、これが(笑)。

で、モメ始める・・・あれ?ダメじゃん(笑)。

もちろん、チームによっては「勝負はどうでも良い!」という要素が強いチームもあると思います。それでも、身体能力が高い子が偶然集まった代などは指導者が急に欲をだしたりする可能性もあり、その代によって、また指導者の性格、保護者の雰囲気によって、同じチームでも大きく変わってくるのが現実です。

これから子どもの入る少年野球チームを選ぶ方は是非、こうした矛盾についてあらかじめ知っておくと心の準備が出来て良いのでは無いかと思います。
もちろん、自分自身の変化も含めて(笑)。

私が思うに、これを根本的に解決する方法はありません(笑)。
だって、「勝ちたい」のは本能だから。

結局、「勝つのか」「楽しむのか」・・・そのどちらかに極端に振れすぎることなく、グレーな範囲を行きつ戻りつしながら時々揉めたり、また団結したりしながら卒団を迎えられるチームなら、それは「十分良い少年野球チーム」だと私自身は思っています。

そして最後に一番大事なこと・・・。
中学や高校で野球を続けるかどうかは別として、卒団するときに
「やっぱり野球が大好き」
と子どもが思い続けることができていたら、チーム選びは大成功だったということではないでしょうか。

わが息子、今週末も試合が4つあります!
「勝って欲しいなぁ」
楽しみです✨




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