【Opera】METライブビューイング『ばらの騎士』
『ばらの騎士』は私にとって「特別なオペラ」だ。何がどう「特別」なのか、言葉でうまくいえないのだけれど、なんというか、この作品を観るといつも、心の奥にある「やわらかい場所がしめつけられる」気がする。それは、初めて実演で観た1994年のカルロス・クライバー指揮ウィーン国立歌劇場の来日公演のときからずっと変わらない。
特に「自分はもう若くない」と感じている人にとって、このオペラはとても「刺さる」作品だ。「もう若くない」ことを感じ始めている30代の元帥夫人。彼女は地位も財産もある貴