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黄昏れて


 今季の好きなドラマの第一位は「たそがれ優作」だ。令和のゆるい寅さんというか、印籠が出てくる時間が想像できる水戸黄門のようなというか、とにかくわかりやすく、ゆるい恋愛ドラマである。
 北村有起哉さん演じる北見優作は、バツイチの名脇役俳優である。毎回いろんな女性と美味しいご飯を食べ、お酒を飲みに行く機会が訪れる。その度ほのかな恋心を抱くが、恋に発展することはない。傷心の優作は行きつけのバー「ともしび」に寄る。そして、坂井真紀さん演じるママの茜に愚痴るが、軽く叱咤されるのがおちである。
 そんな優作の行くお店は実在する店で、その美味しそうな料理に、目が釘付けになる。松重豊さん主演の「孤高のグルメ」に恋愛を足したドラマというのが一番ぴったりとくる説明かもしれない。

 二番目に好きなドラマは「きのう何食べた?」だ。西島秀俊さん演じるシロさんと、内野聖陽さん演じるケンジは恋人同士で一緒に暮らしている。シロさんは弁護士、ケンジは美容師として働いており、二人の職場の出来事や実家との関係、同じく男性同士のパートナーを持つ友人との、ありきたりで愛おしい日常生活を描いたドラマである。毎回出てくるのが、シロさんが作る料理だ。倹約家のシロさんは、スーパーで安い食材を探し、主菜、副菜とバランスの良い料理を作る。西島秀俊さんの綺麗な指が野菜を刻み、食材を炒める姿に、これまた目が釘付けだ。
 結局、料理が出てきて、軽く恋愛の要素が散りばめられたドラマに弱いのだ。難しく考えずに「美味しそうだなぁ! 」とか「ほのぼのした恋愛っていいなぁ! 」そう思える時間が私にとっての癒やしの時間になるようだ。
 ちょっと気になる人と、一緒に美味しいものを食べるシチュエーション、想像するだけで幸せだなぁ。
 


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