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お手紙

「夢の中でお会いしましょう」
銀行の封筒の裏を使って
書いてくれたお手紙の最後に
そう書いてありました。

私は
おととしの秋に
腰椎ヘルニアで
3週間程入院しました。

部屋は4人の相部屋で
私のほかは
70代から80代の
おばあさま達でした。

正直に言うと
話が会うかな、と
心配でしたが
皆どこか悪くて入院しているからか
お互い励まし合うといった感じで
仲良く過ごすことが出来て
入院生活の支えのひとつでした。🥹

なかでも
印象的なおばあさまがいました。
(以後Eさんと書きます)

Eさんは
帯状疱疹から
体調を悪くして
入院してきた方でした。

入院してきてすぐに
まわりの方に話しかけ
気さくで明るい方でした。

Eさんは
あまりおしゃべりしない
認知症気味のおばあさまにも
よく話しかけ
そのおばあさまも
返事をするうちに
自分からまわりに話しかけるようになり
認知症傾向も
あまり見られなくなった…
なんてこともありました。

私も
Eさんとよくおしゃべりしました。

家族の話や
自分の体の話
昔の話などを
おしゃべりして仲良くなりました。
毎日Eさんとお話出来て
楽しく暇つぶしをしていました。
(皆動けない状態で
時間を持て余していたんです🥲)

そうこうするうちに
急に
Eさんの退院が決まり
お互いちょっとさみしいなと
感じていて…

そして
Eさんから
お手紙をもらいました。

メモ用紙もなかったので
銀行の封筒の裏を使って
書いてくれてありました。🥹

「急に退院が決まり
自分でもびっくりしてます。
直子さんより早く退院となり
何て言葉をかけようか?
困惑してます。
直子さんも2日後退院で
おめでとうございます。
また、夢の中で
お会いしましょう。
Eより」

いっときの間だけでも
楽しく過ごすことが出来て

もうお会いすることは無理だけど
夢の中でお会いしましょう
こんな素敵な言葉で伝えてもらえて
Eさんの豊かな内面を
感じることが出来ました。
温かい思い出です。🤗

最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。


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