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日本からの視察団の方々と小中高を視察しました!

こんにちは!どんどん寒さが増していますが、皆さんお元気でしょうか?こちらは11月(もうすでに12月ですが)らしく、曇り空の日が多いですが、それでもまだ寒さは本格化していません。来週あたりから気温が1桁予想なので、「そろそろ本当に寒くなりそうだ…」と震えています。

さて、タイトルにもある通り、先週1週間日本から来られた視察団の方々と一緒にオランダの小中高を1週間かけて視察しました。数ヶ月前から学校や担当者と調整をして、やっと(!)実現した視察でした。


「先生の学校」の方々と教育関係者の皆さんと一緒に

私も以前、講演をさせていただいたり記事を書かせていただいた「先生の学校」というサイトを運営されている三原菜央さん(私と一字違い!!)を中心に始まったこの企画。先生の学校の社員の方々と、札幌新陽高校の赤司展子さんが中心となり「オランダの学校視察に行きたい!」という方々と一緒にはるばる国境を越えて来てくださったのでした。

さっそく展子さんがnoteで記事を書いてくださったので、ご興味がある方はご覧ください!

今回は他にも、公立小学校の先生や、大学院生、司書をされている方や、ライターの方、教育に関係するお仕事をされている方々がご一緒でした。

「行ってらっしゃい」と見送ってもらえる人たちに共通すること

今回のこの11月の下旬というのは、長期休みでもなければ、何かの連休でもありません。ということは、いわゆる「普通の平日」の中で皆さんオランダに来られたということになります。その中でも、教育現場で働いている方がいらっしゃったことにとても驚きました。「こんな時期に行くなんて」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、逆に私は「この時期に行かせてもらえるなんて、きっと職場での信頼があるんだろうな」と思いました。そして同時にそれを良しとできる職場の人々の優しさも感じました。それはつまり「行く人」の人間的な魅力だけではなく「行ってらっしゃい」と言える人たちの優しさという魅力でもあると思ったのです。

そして、実際に来られた現場のお二人は、とても探究心が強く、スポンジのように学ぼうとされていました。私自身、自分の教員時代を振り返った時、「この人たちのように、行ってらっしゃいと言ってもらえるような人間だっただろうか」と自分自身に問いました。学校という個人で形成された集団が前に進む時、足を引っ張り合うのではなく、一緒に働く個人を応援できる集団であった方がきっと遠くまで歩けます。そういった視点がかつての自分には抜けていたかもな…なんて思いました。

心が揺さぶられる経験を「一生もの」に

私自身、大学生時代にアメリカへ長期留学したことは、今の自分をつくる大きなきっかけになりました。2010年、ちょうど大統領選挙でオバマかマケインか…そんな風にアメリカ社会が揺れていたあの時。私は自分の無知さに腹を立て、落胆し、いかに世界が広いか、そして日本の外の世界で自分が通用しないことを実感しました。そして、そこから立ち上がりたいと強く願ったのも事実です。

もちろん「全て」の人たちが同じ経験をする必要はないかもしれません。でも、どこかで「日本の外を見てみたい」と思って教育者がいるのであれば、出来るだけその人たちの背中を押したいというのが私の想いです。きっとショックなことも、驚くことも、ポジティブな発見も、自分の信念のようなものを強化することもあるでしょう。海外に来てあえてその経験を味わいたい人たちというのが「変わり続けたいと願う人たち」だとするならば、場所はオランダに限る必要はないと思います。そしてもしオランダという国を選択するのであれば、私がここでできることをしたいと思うのです。

そして、きっと日本の外で感じる「何か」があるとすれば、それはきっと良い意味でも悪い意味でも刻まれるのだと思います。私はその「刻まれたもの」を参加者が「どうしていくのか」にとても興味があるのです。

「比べる」のではなく、「ヒント」に

オランダと日本は違います。違いを比較だけしていては前に進みにくいのかもしれません。日本から来て「オランダはいいな〜」と思うこともたくさんあるでしょう、しかし一方で「これは日本がいいな〜」と思うこともあります。個人的主義思想が加速するこの国で、日本で時々揶揄されるような「同調圧力」とは教育においてどんな役割を担っているのか、そしてそのバランスはどこにあるのか。そんなことを考えることもたくさんあります。

参加者の方々はそういったことも含めて「物事のバランス」についてたくさん考えたのではないでしょうか。そしてきっとたくさんの希望も見出したと思います。今回の視察で私が1番心に残った言葉はいくつかありますが、市民教育のプログラムを提供する団体の代表者が、プログラムの普及に関して、

「とても時間はかかるけれど、難しくなはい。時間がかかるだけだ。時間がかかるということ自体は"難しい"ということではない」

と言っていたことがとても印象に残りました。「時間がかかる=難しい」と捉えない彼女のポジティブな考え方にとても感銘を受けました。そこには"プログラムの普及"を短期的に見ない彼女の視点と、何より難しい課題に立ち向かっているからこそ時間はかかっていいというポジティブな思考がありました。「こたえを急ぐな」そう言われているような気がしたのです。

今回の視察を通して、私にもたくさんの学びがありました。何より、視察後に参加者の皆さんと食事を囲みながら振り返りをした時間がとても愛おしかったです。私たちはなぜここに集まり、何を見て、何を感じ、どんなアクションにつなげていくのか。前向きな議論の中で、日本の教育に"もっと明るい未来"を見た気がしました。そして、そこに自分自身がいることができたことにとても感謝を感じました。

無論、それは私を含め、同じ景色を共有した人たちがどんなアクションにつなげていくかにかかっています。ここから広がっていくアクションに大きすぎない期待を感じながら、その核となる部分にある芯を大切に視察の振り返りも含め、発信を続けていきたいと思います!


<Voicyでもお話しています>





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