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"高齢者の孤独"を何とかしたい!「おばあちゃんのスープ」という企業団体の活動

こんにちは!前回の記事で、オランダの大手スーパーで試験的に導入されている取り組みについて書きました。孤独を感じている高齢者の人たちが、スーパーに来て「誰かと喋りたいな」という気持ちを、緑の買い物かごで表現できる…という面白い取り組みです。

取り組み自体、とてもユニークで面白いのですが、さらに私の興味をそそったのはこれを実施した企業団体でした。その名もOma's soep…「おばあちゃんのスープ」という名前のこの企業団体は、若者の力でお年寄りの孤独を何とか解消したいと活動をしています。

「おばあちゃんのスープ」がしていること

そもそもOma's soepはスープを販売していて、そのスープ自体、その名の通り「おばあちゃんのスープ」のレシピに基づいて作られているのだとか。私たちにとっての「おばあちゃんの味噌汁」的な…うん、何かいい匂いがしそう!笑

彼らのサイトを訪れてみると、そのミッションの中には、

・"孤独"への挑戦
・高齢者と若年層が一緒に「スープ」を作るWSの開催
・スープの配達と"ちょっとしたお喋り"の機会の提供
・フードロスをなくすため、野菜をスープへ
・社会貢献に根差した利益の追求


というものが含まれていました。めっちゃ素敵!

そしてもちろん販売されているスープも美味しそうなのです!

イベントページも訪れてみましたが、何かめっちゃ楽しそう!

ボランティア、そして学生によって支えられている「おばあちゃんのスープ」

この「おばあちゃんのスープ」という団体、実は立派な企業でもあります。たくさんのボランティアと学生たちによって支えられていることは、チームのページからも伺えます。

学生たちがこの企業団体を支えているなんてとても素敵です。

こういう学生たちを見ると、どういったモチベーションが彼らを突き動かすのかな?と思います。社会への感謝?自分が今ここにいるのは命が繋がれてきたから?とにかく、こういった若者がいることって大きな希望ですよね。

2022年から2023年にかけて創出されたソーシャルインパクトは?

最後にサイトの中に見つけた、2022年から2023年にかけて、この「おばあちゃんのスープ」という企業団体が社会に与えたインパクトについてまとめてあったので、日本語訳してみました。

"高齢者の孤独"は大きな問題であり、どんどん深刻化しています。オランダの高齢者のほぼ半数は頻繁に孤独を感じているのです。こういった孤独を感じる高齢者の数は今後20年間で倍増すると予想されていますが、幸いなことに、オランダにはそれを支える十分な人数の人々がいます。孤独な高齢者の数が倍増するのを防ぐための行動を。これこそが、私たちが Oma's Soep(おばあちゃんのスープ)が推し進める活動なのです。

ma's Soep(おばあちゃんのスープ)は高齢者を幸せにし、誰もが高齢者にあたたかい眼差しを送ることを促進します。 私たちは毎週、オランダ全土で老若男女が団結することでこれを実現できると信じています。そして私たちはこれを一部の人間で行っているわけではなく、12都市の学生たちの協力により、成し遂げているのです。

2022年から2023年にかけて、私たちは・・・
4,640キロの野菜を節約
老若男女のミーティングを28,340回開催
毎週743人の高齢者にリーチ

「1人でいると、とても長く感じる1日だけれど、彼らが来てくれると、いつも幸せな気分になるのです!」 おばあちゃん (ライデン)

高齢者は一般的に訪問を楽しみにしています。 60%の高齢者たちが「訪問をどの程度楽しみにしているか」という問いに対して8、9、または10のレートを付けています。

孤独な高齢者の95% は、Oma's Soep(おばあちゃんのスープ)による訪問が孤独感を軽減するのに役立っていると回答しています。 40%は、訪問が孤独感の軽減に"かなり"または"非常に"役立っていると具体的に回答しています。

どんなところにも善意はあればあるだけ良いものです。しかし、それが単なる善意にとどまらないよう、私たちは当然、自分の行動の影響が実際にどのようなものであるかを知りたいと考えます。そこで私たちは全国の高齢者60人に話を聞いてみたのです。 何がうまくいっているのか、どこに改善の余地があるのか?一体何が必要で、どの方向に進むべきなのか? おばあちゃん(高齢者)たちは私たちに成績も付けてくれました。 かなりリアルなレポートです! そして、彼らからのフィードバックはいつも刺激的です!

  1. より効果的に高齢者の孤独に対処するため、どのようにして高齢者に参加してもらうのか、その期間、活動への参加意思などを含め、慎重に登録すること

  2. より多くの高齢者を幸せにするために、ボランティアを維持および採用するための戦略を計画し強化すること

  3. 高齢者間のコミュニケーションを改善し、安定した訪問の定期性を確保すること

  4. ボランティアと高齢者の交流を深める2つの取り組みをスタートさせること

  5. 活動を改善し、高齢者のニーズに応えるため、すべての都市に高齢者委員会を設置すること

<行動計画>
ボランティア、Oma's Soep(おばあちゃんのスープ)の仲間たち、私たちのパートナー、代表者、そしてもちろん私たちの愛する高齢者の方々の貴重な努力がなければ、私たちはこれらを達成することはできなかったでしょう。 なぜなら、過去1年間、この取り組みに貢献した人は誰でも、何らかの形でこのレポートに示されている影響に貢献していて、自らを"孤独と戦う人"と呼ぶことができるからです。 肯定的なフィードバックに加えて、どの分野に注意が必要か、そしてさらなる機会がどこにあるのかに注目することが引き続き重要だと考えています。これらの洞察を適切に活用することで、私たちは社旗への影響力をさらに高め、高齢者が本当に必要としているものに合わせて取り組みを調整し続けることができるのです!

とっても魅力的な企業団体、Oma's Soep(おばあちゃんのスープ)。
今度プロダクトを見つけた時は、私もおばあちゃんのスープ、買ってみようと思います!


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