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『失われたものたちの本』は、映画を見た大人にオススメしたい #君たちはどう生きるか

お久しぶりです。
だらけきった夏休みも、もう半分過ぎてしまいました。

北海道は、夏休みが短いので、8月24日から2学期が始まります。
今年は北海道も異常に暑いので、夏休み31日までにしろよと思っています。
(エアコンなくて、教室に2〜3台の扇風機しかないのだ・・・)

最近は、「夏休みの宿題」も色々と変わってきているようですが、読書感想文って宿題になっているのかな?
Chat GPTを使わないようにとか、出題する方も大変だから宿題にしない方が良いと思うのですが。

感想文を書く、書かないは別として、夏休み、たくさん本は読んで欲しい訳で。

でも、何を読んだらいいかわからないとか、同じような本ばっかり選んじゃうとか、読む前の段階で迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

今回は、映画とともに、話題になっているこの1冊を紹介します。


1 『失われたものたちの本』 と宮崎駿

今年の夏、大ヒットを記録している ジブリアニメ『君たちはどう生きるか』
封切りになってすぐ、話題になった本です。

本の帯は、宮崎駿氏の推薦文が。
「ぼくをしあわせにしてくれた本です。出会えてほんとうに良かったと思ってます。」

君たちはどう生きるか のストーリーの原案が、この本なのでは?と言われていました。まずは、売り切れになる前に、読んでみようかと思い、購入しました。

奥付けを見ると、2015年に初版が出版されています。

映画『君たちはどう生きるか』は、構想から公開まで4年が費やされていますが、映画の題名になっている『君たちはどう生きるか』( 吉野源三郎 著)が原作というわけではなさそうです。

亡くなった母親が、主人公に遺してくれた本として登場するくらいで、こちらの本はストーリー的に重なるところは少ないようです。

2 小説『失われたものたちの本』 ちょっとネタバレ


映画のあらすじやネタバレが少しずつ出てきていますが、ストーリーの流れは、ほとんどこの本の通りなのではないかと感じました。

最後まで読んでみて、とにかく「読みにくい」本でした。

正直「気持ち悪い場面」が畳み掛けるように続きます。現実世界での描写も、雰囲気が暗く、おどろおどろしい感じが読み進めるスピードを遅くしてしまいます。

異世界転生ものとしても読めるのですが、現実世界では大戦中の設定ですので、戦闘機による空爆場面も気分の良いものではありません。

異世界に転生?した主人公は、次々と災難に襲われるのですが、所々に挟まっているお馴染みの「童話」が異なるストーリーとして語られています。どの物語も途中までは、広く知られたストーリーなのですが、物語の最後は必ず残虐性、暴力性、猥褻さが支配するラストに書き換えられているのです。

殺す、殺される場面、化け物に襲われる場面など、小学生にはちょっと気持ちが悪い、怖いと感じられてしまうかもしれません。
正直、自分も読んでいてイヤーな気分になりました。
テイストとしては、昔流行した『本当は怖いグリム童話』的な感じです。

これだけ色々と引っ掻き回して、どう着地するのだろう?と期待していたのですが、異世界の王になることを拒んだ主人公は、子供っぽいわがままを脱ぎ捨て、大人になってこの世に戻ってきます。

母親が亡くなった事実を受け入れることができず、再婚した父親、再婚相手の継母、再婚してすぐに生まれた弟を憎んできた少年は、異世界での冒険を通じて大きく成長し、新しい世界の現実を受け入れて生きることを選びます。

うーん。

中学生、高校生が読んだら、印象は違うのかもしれませんが。

本の中の本というのは、『はてしない物語』と似ているといえば、似ていますが。
ミヒャエル・エンデの域に達しているかと言われれば、そこまでではない気もします。

3 まとめ


もし、あなたがすでに『君たちはどう生きるか』を鑑賞済みだったとしたら、ぜひこちらも読んでみてください。

私はまだ、映画を観ていないのですが もう少し落ち着いたら観に行ってみようかなくらいの気持ちでいます。

宮崎監督が、この本にインスパイアされたところは、映画の中ではどこなのかを探るのも、興味深いかもしれません。

ちなみに、文庫版には、「シンデレラ(A バージョン)」という短編も収録されています。そのテイストが好きな方は、本編も楽しんでいただけるかと思いますので、もし書店でパラっと読める環境の方は、そこから読んでみるのもおすすめです。

夏イチ本との出会いがありますように✨

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