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男性育休の現実…プチ家出、孤独感、お金、マイノリティなパパ育児

本記事はフォトグラファー/ライター忠地七緒の夫が5ヶ月育休を取った体験談を”夫目線”でお届けしています。執筆に至った経緯はこちらから。

こんにちは。育休についての投稿4回目です。

前々回は「育休を取ろうと思った理由」、前回は「育休を取るまでの流れ」を書きました。今回は、自分が育休中に大変だったことを書こうと思います(いつもより少し長めです)。

【Episode1】家庭内大戦、そしてプチ家出

育休がスタートしてからの9月〜10月末までの約2ヶ月間は、妻と分担して育児をしつつ、料理・洗濯・掃除、その他全ての家事を自分が引き受けていました。家事全般は普通にこなせますし、かつ趣味の一つが料理なので『育児しながらでもまぁ問題は無いだろう』と思っていました。

甘かったです。全てひとりでやるのは、2ヶ月で限界が来ました(笑)

「仕事」が無くなった代わりの新タスクである「育児」は、想像していた以上に大変でした。育児は妻と分担とはいえ、少しでも妻に体を回復してもらいたかったので、夜中のミルクや寝かしつけも多めにやっていた為、慢性的な睡眠不足が続いていました。

例えば生後2週間目くらいの9月6日。Fitbitの睡眠ログを見ると、こんな感じの細切れ睡眠でした。

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アプリで記録していた睡眠時間

その上で、昼は3時間ごとに(妻と交代ですが)授乳、寝かしつけ。合間を縫って洗濯、掃除、買い物、料理、ウサギのお世話(朝晩2回)などの家事。

あっという間にキャパオーバー、精神的・肉体的余裕が無くなりました。妻の妊娠中から増えていた喧嘩が、さらに増えました。在宅で仕事をしている時以上に、24時間顔を突き合わせることになったのも原因だと思います。

そして忘れもしない、ちょうど生後2ヶ月目の朝。睡眠不足などが重なった結果やらかしてしまった自分のミスで、過去に無いレベルの家庭内大戦が勃発。1時間くらいの言い合いの末、自分は家を出て、都内のホテルに一泊することになりました(一応、夫婦同意の上で、です)。

目的は、「頭を冷やして冷静になる」こと。そして「夫婦の関係性を良くしたいので、自分を変える為には何をすれば良いか考える」でした。当日はホテルの部屋に籠って、ひたすら現状把握と問題・課題を抽出して自分を見つめ直しました。翌日には、心理カウンセラーに相談しに行ったりもしました。

カウンセリング結果や読んだ本を参考に考えたことを実践した結果、今は喧嘩も減り、より良い夫婦関係に変わってきたと思います。この辺は内容的に育児から少し離れるので、今回はこれくらいで(機会があれば書くかも)。

そして、産後2ヶ月経って妻の身体も少し回復してきたタイミングで、いくつか家事を妻にお願いしてからは、体力的にもだいぶ楽になりました。

【Episode2】孤独感との戦い

「妻がいち早くキャリア復帰可能な環境を整えたい」という育休の目的通り、11月くらいから妻は少しずつ仕事復帰しました。具体的には、週3日の9-15時に妻は仕事、私は自分の部屋で子どもと遊んだり、ミルクや寝かしつけをする、というスタイルです。

そうして妻が仕事に復帰して以降、父と子、二人だけで過ごす時間がとても長くなりましたが、そこから「孤独感」との戦いが始まりました。

日常的に接するのは妻と子ども、あとは近所のよく行くカフェや服屋の店員さんくらいです。閉塞感というか、刺激が少ないというか、とにかく誰かとコミュニケーションを取りたいという衝動に駆られました。もちろん、妻と話をしたり、友人とLINEをしたりはしていたのですが。

自分と同じ境遇だったり、共通の話題で会話可能な「同性のコミュニケーション相手」を欲していたのです。要するに、パパ友が欲しかった…!

その孤独感が解消される一つのきっかけとなったのは、妻が偶然見つけてくれた、自治体主催の「男性向けの育休・育児セミナー」です。そのセミナーに参加し、ご近所の育休中・育休予定のパパ友で作ったLINEグループで情報交換や雑談することで、徐々に解消されていきました。

更に、大学時代の友人一家と遊んだり、会社のメンバーと飲みに行ったりする様にもなりました。

あれほど悩まされていた孤独感、今では全く感じません。

【Episode3】なかなか来ない給付金(他、お金の話)

私たち夫婦の職業は、自分は会社員、妻はフリーランスです。その為、夫婦ともに育児で仕事をお休みすると、基本的にお金は「貯金」と、自分の育児休職に伴う「育児休業給付金」頼みとなります。

この給付金、自治体から給付されるのが2ヶ月に1回です。更に、育休直前に会社の総務から知らされたのですが、休業!→申請!→即給付!ではなく、申請から2〜3ヶ月してようやく振り込まれる、とのこと(私の場合はこうでしたが、他だと違うかもしれません)。

毎月どれくらい貯金から使うか、もちろんシミュレーションの上で計画は立てていました。それでも、12月に1回目の給付金が振り込まれるまで、ガンガン減っていく貯金残高を見て夫婦揃って震えていたものです。

また、自分の収入が一時的に無くなったので、二人の貯金から自分が生活するのに必要なお金(通信費とかカードの支払いなど)を毎月引き落としていました。なんとなく申し訳ないというか、居心地が悪いというか、宙ぶらりんな気分も感じていました。

あとは、住民税(5ヶ月分)の一括請求が来た時も焦りました。それについては、育休明けの給与引き落としに変更できたので、事なきを得ました。

【Episode4】まだまだマイノリティなパパ育児

社会全体でみると「男性が育児すること」はまだまだマイノリティなんだなぁ、ということを感じます。

例えば、授乳室は女性専用なところが多くて、自分+子どもだけで外出した時に「どこでミルクあげればいいんだい?」と迷うことがたまにあったりします。

ベンチや椅子があれば外でもあげられますが、冬とか真夏は気温的に厳しいですし、周りを気にせず落ち着いた場所であげたいですからね(もちろん、奥に女性専用授乳室、手前に男性も入れるベンチみたいな構造になっている場所も多いです!)。

他にも、「ママ向け育児イベント」や「ママ友サークル」みたいなのは結構多いです。一方で「パパ向け」は非常に少ないですね。自分の住んでいる自治体は、乳幼児を育てる父親の集まり、といったものは無かったです。だからこそ、自治体が開くイベント情報が無いか、よくチェックするようになりました。

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睡眠時間が短いことや孤独感などは、世の中のお母さん達(特にワンオペで頑張っていらっしゃる方)は日常的に感じることだと思います。自分が当事者になって『本当に凄い』と、尊敬の念が強まりました。

次回は夫婦で育児を楽しむために大切にしていることについて、書いてみたいと思います。

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