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住んでる街で観光客になってみた

今暮らしている街、ノルウェー・スタバンゲルで、市内観光ツアーに参加してきました。

主催者はスタバンゲル商工会議所。
彼らは移住してきた外国人向けにいろんな現地情報を提供したり、多彩なアクティビティやネットワークイベントを開催しています。今回の街ツアーも、誰でも無料で参加可能でした。

「ガイド付き市内観光」
歴史的建築、モニュメント、建造物に関するあらゆる疑問を解決するチャンスです!スタヴァンゲル展望台の歴史、スタヴァンゲル旧市街、港湾地区などの見どころを歩いて巡ります。

スタバンゲル商工会議所からの案内
商工会議所の建物も実は歴史建造物
https://www.stavangerchamber.com/

住んでる街のことは意外に知らない

住み始めて9ヶ月が経ち、スタバンゲルでの暮らしも少しずつ慣れてきました。買い物の場所がいろいろわかってきたし、お気に入りカフェも見つけました。もう街で歩いて迷子になることもありません。

でも、街の見どころは何?と聞かれたら、案内できるほどの知識は思ったほどには持っていないものです。名所や人気スポットはわかるけど、歴史や背景はほとんど知らないし。

せっかくこの街の住人になったのだから、ガイドさんと一緒に歩いて、話を聞いてみるのはいいチャンスかも!と、ツアーに申し込みました。

そう思ったのは私だけではなかったようで、待ち合わせ場所には思った以上に人が集まっていました。
最近住み始めたばかりの人から、5年以上暮らしている人まで、20人ほどいたでしょうか。皆、海外からの移住者ですが、好奇心の方向が一緒というだけで親近感です。

ツアーガイドをしてくれたのは、ノルウェーもスタバンゲルも大好きというベテラン商工会議所スタッフで、彼女の挨拶が印象的でした。

「このツアーの目的は、ここに住んでいるあなた達にスタバンゲルのアンバサダーになってもらうこと。街をもっと知れば、もっと好きになります。
家族や親戚、お友達が遊びに来たら、私がやっているようにぜひ彼らを案内してください。この街を知り、好きになった人たちが今度は彼らの知り合いにスタバンゲルを紹介していきます。そうやって世界中からこの街に訪れる人が増えると信じています。」

草の根運動的だけど、人から人への生きた情報力はあなどれない。
実際、こうやって私のNote の記事ネタにもなりました(笑)

そして、街の印象を深くするのは、人との生の交流だったりするもの。
今回、ガイドさんの人柄に参加者全員魅了されたし、ツアーの後にお茶をしたり、参加者たちとの交流も嬉しいものでした。

住む場所を好きになっていく鍵は、街のストーリーや人々を知っていくことなのかもしれません。

街歩きツアーのようす。

スタバンゲルのストーリー

見どころたくさんの2時間ツアーでしたが、特に印象に残った3カ所をこちらでもガイドツアーのガイドとしてご紹介。
スタバンゲルの街に来たらぜひ歩いてみてほしいスポットです。それ以外の見どころや豆知識は、ぜひここに訪れた際に楽しんでくださいね。

オールドダウンタウンの小道と白壁の家

スタバンゲルの港をのぞみ、古くからの家が立ち並ぶエリアがオールドダウンタウン。白壁に統一された木造住宅はとても風情があります。小道には緑や花があふれ、歴史保存地区としてたくさんの観光客が訪れます。

昔、白いペンキは高価だったため、白壁の家は裕福な象徴、ステイタスでした。とはいえ、海や通りから見えない裏側は白以外で塗る家もあったとか。

2022年10月撮影
一般の民家です。2022年10月撮影

現在の都市計画では、せまい道幅や高い密集度は認められません。なので、このような住宅地は保存地区でしかもう見ることはできません。

家々の多くは修繕が必要ですが、歴史地区として多くの制約があるうえ、修繕費は全て住人負担です。また、観光客が多いので、しょっちゅう家の中を覗かれます。この地区は、住人たちの自己努力で保たれているのです。

カラフルストリートの誕生秘話

街の活気をとりもどそうと、10年ほど前に地域の住人がしかけたプロジェクトにより誕生したのがカラフルストリート。

2022年8月撮影

この地区は白壁住宅が並ぶ規制のかかったエリアでしたが、老朽化が進み、人通りが減少していました。そこで出された地域おこしのアイデアが、壁をカラフルに塗り、落書きアートを取り入れ、飲食店を呼び込むこと。

規制地域だったため、政府の許可が降りるまで相当の苦労があったようですが、今ではセントラルでも一番賑わうストリートとなり、町おこし成功事例になりました。

インスタ映えするエリアなので、観光客に人気ですし、クリスマス時期のカラフルなライトアップは特に綺麗ですよ。

冬のライトアップ。2022年11月撮影

高台の展望台

港から見える展望台。2022年8月撮影

坂が多いダウンタウンですが、坂を登った先、街の中心に位置するのが展望台です。

港を望むので、古くから外敵の侵入を監視するのに使われました。
電気のないガス灯時代は、火災が多かった時代でもあります。スタバンゲルの家々は木造で、家が密集していたため、火災が起こると甚大な被害が出ます。そのため、火事の監視も展望台の重要な役割でした。

火災が発生すると、展望台の最上階に火事の方向を指した旗が掲げられ、住人が一体となってバケツリレーをして消化活動が行われました。

展望台は平日は中に入れませんが、週末は開放されており、最上階まで登ることができるそうです。街と港の素晴らしい眺望が楽しめます。


2時間のツアーに参加しただけですが、たくさんの豆知識を仕入れたし、ちょっとした街案内なら私もできそうです。
スタバンゲルでお待ちしています!

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