トキです。

ライブレポを見ていただけるとわかるかもしれませんが、今年も推し事に勤しんでいます。
推し事をしている時にいつも思うこと。
それは、

『いつまでも、推しを推せるわけじゃない』

ということ。
僕はおよそ10年前、推しを推したくても推せなくなったことがありました。
今日はその話をしたいと思います。

●池袋、グリーン大通りにて。

およそ10年前。
まだ20歳になるかならないかという頃。
僕は毎週水曜日の夜、池袋東口のグリーン大通りに通っていました。
理由はひとつだけ。
そこで毎週水曜の夜に路上ライブをやっていたバンド、『BOOGIEBACK』を見るためだった。

彼らはギターボーカルの荒木(あらちゃん)、ギターの望月(もっちー)、ベースの大西(にっしー)による基本的には3ピースバンドだった。
基本的に、というのはドラムに何回かメンバーが加わったり抜けたりを繰り返していたから。

今探したらまだ視聴サイトが残っていたので貼っておきます。
https://www.audioleaf.com/boogieback/

ここで聴ける曲の中なら、『ネガイ』がオススメです。

毎週毎週、大学が終わるとバイトのシフトをそこだけ空けて路上ライブに通いました。

王道でストレートな楽曲と、それにとても似合うあらちゃんの声は路上の空気を伝って真っ直ぐ心に届いた。
もっちーのギターも、にっしーのベースも好きだった。もっちーはカホンの時も多かったね。
ごめんなさい。だったなんかじゃない。今でも好きです。

彼ら、今は活動していません。
もう10年前になりますかね。大塚の小さなライブハウスでの最初で最後のワンマンライブの後、活動の休止が告げられた。

本当に、彼らの楽曲が好きで「いつか売れる」と信じて疑わなかった。
最後の頃はチラシの制作も手伝わせてもらったりしていたし、彼らの音楽を広めるために何か出来たらって本気で考えていた。

路上で見る時も、他のファンの方が近くで見るから少し離れて見たりして。
少しでも他の人が足を止めやすいようにするにはどうしたらいいのかとか考えていたし、いつか、いつかって思い続けていた。

●それでもやってきた“休止”

それでも終わりはやってきた。
メンバーは「休止」と言っていた。いつかまたこのバンドをやるからと。
涙なしでは見ることが出来なかった最後のライブは、飯田橋ラムラの小さな広場だった。
そこで僕らファンは彼らにお別れをした。

ショックだった。

申し訳ないけれど飯田橋ラムラにはこの後１度しか行っていない。
ブラック企業から今の仕事に転職して、長いこと何をやっても上手くいかない時期が続いた時に、１度だけ自然と足が向いた。
広場の片隅、誰も居ない階段の端に腰掛けてイヤホンで大好きだった彼らの音楽を聴いて、誰にも見られないように泣いた。その１度だけ。

最後のライブの後に彼らはファンひとりひとりと話をしてくれた。
その時僕は馬鹿な夢を話してしまった。
今も仕事を頑張る思いの中に、その時の夢を叶えたいとか、少なくとも何かあって彼らの音楽に再会できた時に、胸を張れる自分で居たいという思いがある。その気持ちの隣に、彼らの楽曲を添えて。

10年経っても、「もう戻ってこない」なんて思えない位に、BOOGIEBACKの音楽は僕の中で色褪せてない。

また3人の音楽を聴きたいよ。

●行きたい場所に、行ける人ばかりでは無いということ。

結果僕は今、彼ら以外の人たちを追いかけて、推している。追っかけはもはや僕の気質だ。
彼らの事を振り返ると、

「推しが行きたい場所に行けますように」
「推しが望む場所に居続けられますように」

という事を思って止まない。
誰もが望んだステージに立てるわけでな無いと、頭ではわかっているけど、誰かのことを推せば推すほど目をそらしてしまう事実だとも思う。
マイナーなアーティストを好きになると、まるで隠れ家的なレストランを見つけた時のように、「売れてほしくないな」と言ってしまうことがある。
だけど彼らの事があってから、僕はそう思わなくなった。やっぱり推しには笑っていてほしいから、推しが望むようになることが僕の望みになった。

そして推しが推せるということは当たり前ではないなぁと、それもまた当たり前のことなんですが。

「推しは推せる時に推せ」

なんて言葉がありますが、本当にそうだと思います。
別れっていきなりやってくる。
もしかしたら推しじゃなく自分になにかあって、推し事から身を引くことになるかもしれない。
そんな急な別れの為に、やっぱり行けるときは行きたい。後悔しない為に。

今年は早くも6月まで毎月、ライブ等の予定が入れられて順調な滑り出し。
今年も後悔が無いように、推し事に勤しみます。

1月ももう終わりでなんですが、あなたの推し事も、良い一年になりますように。

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