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売上増加・成長するためのケーススタディ メモ③

<設定>
クライアントは、アイスクリーム、ヨーグルトの製造・販売会社である。
商品の品質は高品質、原料は天然素材のみを使っている。
クライアントの製品は食料品店、コンビニを通して、アメリカ全土で販売されている。

アイスクリームは30種類の味がある。
500m l容器入りで販売されている他、1本単位の棒アイスとしても販売されている。

クライアントの企業は強いブランド力を持っている。
キャンペーンを展開したところ、大成功を収めた。
昨年度の売上高は200百ドルであり、このうち177百ドルはスーパーマーケットと食料品店での販売である。
業界内ではハーゲンダッツ、ベン&ジェリーに次ぐ3番手に位置している。
これらトップ3のメーカーがシェアの62%を占めている。

<問題>
クライアントは今年度の売上を250百ドルまで伸ばしたいと思っている。
どのような方法でこの目標を達成したら良いか。
これら以外の目的はない。

昨年度の売上高は前年度の10%の成長率である。
これはキャンペーンによる影響である。
昨年度のプレミアムアイスクリーム市場全体の成長率は、12%である。
競合のベン&ジェリーは20%、ハーゲンダッツは12%以下の成長率である。

このことから、ベン&ジェリーがどのように売上高を大きく伸ばして、クライアントとハーゲンダッツが行ったことを比較して、何がうまくいった原因なのかを分析する必要がある。

売上高を伸ばすためには、大きく3つある。
①販売価格を値上げする。
②購買一回あたりの顧客単価を増加させる
③販売量を増やす

①販売価格を値上げする。
クライアントが販売する製品の価格は、競合他社の製品に比べて、ほぼ同じ価格帯で販売されている。
そのため、販売価格を値上げすることは難しい。

②購買一回あたりの顧客単価を増加させる。
製品が500mlであるので、これを倍の1リットルの容器で販売することで、購買あたりの客単価が増えることもできる。

③販売量を増やす。
これは成長戦略と密接に関わる。
成長戦略には、5つの選択肢がある。

①流通チャンネルの拡大
②商品ラインの拡大
③大規模なマーケティングキャンペーンの展開
④商品の多角化
⑤他社の買収

①流通チャンネルの拡大
クライアントは全ての主要なチャンネルを網羅しているようだが、販売力が相対的に弱い地域があるはず。
地域別の販売データを分析して、弱い地域に販売拠点を増やすことができないかを検討する。

②商品ラインの拡大
30種類の味であり、実際に店頭に並ぶのは15種類である。
そのため、これ以上商品の種類を増やすことは得策ではない。
であれば、提供するサイズの種類を増やすことを考えた方が良い。

③大規模なマーケティングキャンペーンの展開
昨年度のキャンペーンは成功である。
今回もその予算が割り当てられるか否かをチェックする必要がある。

④商品の多角化
ブランド力、品質の高さは定評がある。
そのため、自社の事業領域をアイスクリームに限定するのではなく、乳製品全般やグルメ食品全般として考えれば、そのブランド力を活かすことができる。
例えばグルメ向けのクリームチーズの販売など。
クリームチーズだと、現在利用している流通チャンネルで販売のみならず、販路をベーグルショップに広げることができるようになる。

⑤他社の買収
買収を行った結果、借入金の負担が過大になることはないか、自社の財務内容に比べて無理な資金調達にならないかを事前に調べておく必要がある。
調達に無理がないことがわかれば、比較的弱い地域の会社を買収を検討する。

<まとめ>
500mlの容器に加え、1L容器入りの商品を販売することで、顧客単価の増加を狙う。
予算をより確保して、大規模キャンペーンを行う。
またアイスクリーム以外の乳製品、例えばグルメ向けのクリームチーズなど商品の多角化を行い、既存のブランド力と流通チャンネルを最大限に活かす。
販売力が弱い地域の地場企業を買収して、販売力を活かすことは可能かを検討する。

ケースタイプ 売上増加シナリオ、成長戦略シナリオ


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