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「定額制、上司入れ替え放題」は なぜ「ボス」にこだわり続けるのか

2019年9月12日、運営しているシェアボスというサービスで「月額定額、上司のサブスクリプション」という恐らく日本初の仕組みをリリースしました。

サービスの内容自体はWEBサイトを見ていただくとして、このような話題性だけにフォーカスしたような短絡的なサービスをなぜ無理やり作っているのかを書いておきたいと思います。

意思決定を変えたい

私は社会人になって約20年間、デジタル系の業界に身を置きながら、ベンチャー企業やスタートアップ、上場企業、さらに歴史ある巨大企業といった、多くの会社と仕事をさせていただいてきました。

その中で、日本企業が「外部環境の急激な変化に、組織の新陳代謝が追いついていない」切実な環境を目の当たりにしました。

「オレが定年になるまでは、新規事業はやめてくれ」

もう10年前ですが、お孫さんの中学受験があるから、と、ある大企業の幹部がエレベーターの中で部下に伝えました。

デジタル部門のリーダーだった部下の方は、複雑な気持ちだったでしょう。

人は心理的コストから新しいチャレンジを避けてしまうばかりか、やっとの事で作った新しい計画も直前になるとリスクが高いものに思え、つい目先の利益に誘惑されてしまう。そんな弱さを持っているそうです。

現状維持バイアスや現在バイアス (双曲割引) と言われるこのような傾向は、脳の構造にも由来する生き物としての本質です。

組織は人の集合体ですから、その極限まで高められた再現性のメカニズムが時として短期利益だけにフォーカスした意思決定を全体の合理的判断としてしまう可能性をはらんでいる、と感じます。

出典を探すまでもなく、日本は世界的に見ても急激な少子高齢化に見舞われており、社会の縮図である企業にもその影響は現れています。

50年後の日本を担う若者は、権限もなく、数も少なく、意思決定へ関与する力はごく弱い。

歴史ある企業では、シニア・ベテラン層は数・権力ともに圧倒的で、膨大な知見から "合理的に" 保守的な意思決定を下す傾向にある (人間は知見が増えるほど保守的になるといいます) 。

そんな硬直化した意思決定に、デジタル化によって加速度を増した外部環境の波が容赦なく襲いかかる。既存事業を堅実に伸ばしていく一方で社会やニーズの変化にしなやかに対応し変化し続けるという、難しい舵取りを企業は求められている。

破壊的な思想

20代〜30代の自分の思想は、より破壊的でした。

デジタルなイノベーションの力が強大であれば、大企業の外側でディスラプティブなビジネスを多く生み出し、そのようなビジネスが大企業に取り込まれ、あるいは淘汰し、社会は変わっていくのだろう、と。

実際、スタートアップへの国内のリスクマネー流入は増え続け、VC界隈は活況です。今や投資の受け皿となるスタートアップが足りないほどで、証券取引所がその活性化に着手するほど。

これは素晴らしいムーブメントだと思っています。

ただ、このアプローチは情報系、ソフトウェア系の産業では機能するでしょうが、より参入障壁の高い業種 (製造業や流通など) やバリューチェーンの深いところでは効果は限定的だと見ています。

専門性と参入障壁の高い領域ではスタートアップが生まれづらく、また先の理由で取り込む側の意思決定、感性、商習慣などがイノベーションに追いつかないだろうと考えるためです。

世代間対立よりコラボレーション

情報やソフトウェア産業は社会の基盤となる重要なものですが、日本のGDP、あるいは企業の時価総額におけるシェアは限定的です。また、不動産や中古車販売のように全国に散らばった中小事業者がロングテールに大きなシェアを占める業種も存在します。

トラディショナルで参入障壁の高い産業には、スタートアップのイノベーションによる新陳代謝とは別のアプローチが (ポートフォリオのひとつとして ) 必要だとしたらそれはなんだろう。

そんなことを考えて行き着いたのが「世代間の企業人コラボレーション」です。

トラディショナルな企業が抱える「意思決定」の問題

2019年7月に大手流通のセブンアンドアイがスタートした電子決済でセキュリティ上の問題が発覚し、わずか1ヶ月でストップするという事件がありました。

二段階認証の存在を知らなかったとして揶揄された小林強社長が話題になりました。

セブンアンドアイが手掛けるセブンネットショッピングの開発が非常に難航したのはIT屋界隈では有名な話ですが、同社のシステム開発には先端ITを扱う超大手企業が名を連ね、「この陣容でだめだったらだれもできない」というほどの大連合で行われます。

しかし、実際はどれもうまくいかない。

なぜなのか。

人材不足の時代とはいえ、お金さえあれば、優秀な人材はいくらでも手に入ります。

でも、どんなに現場の「手足」が優秀だったとしても「頭」に当たる部分、「意思決定」が間違っていると全てが台無しになる。プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、意思決定の問題はレバレッジが効いてクリティカルな失敗に発展します。

大企業の意思決定を、デジタル世代のリーダーが支える

シェアボスが提供する価値は「意思決定のアップデート」。

意思決定を改善することで日本企業のプロジェクトを変える。成功に導く。

だからボス経験者に特化する。だからデジタルな人材に特化する。

若者やエンジニアから見たら、40代〜60代は先端ITを知らない「古い世代」なのかもしれません。

確かに40代〜60代はITに関しては圧倒的に疎い。でも、その代わり豊富な事業ドメイン知識や人脈、動かすことのできる巨大なリソースや組織といった若い世代が持っている力には代えがたい、貴重な能力があります (※)。

※ ネットは脳神経の拡張、人的組織は身体の拡張だと思ってるのでこんな表現になりました

私はトラディショナルな産業に身をおいてみて、「経験のトレードオフ」を身にしみて感じたのです。二つの世代は互いに歩み寄り、協力すべきだ。それによって、単独ではなし得ない大きな成果を生み出せるはずだ、と。

シェアボスで掲載している、私が知り合ったボスたちは、本当にみなクレバーで合理的、かつ人情の機微や組織の裏表を知っているビジネスのプロです。

この「デジタル && ボス人材」という架け橋が、「20代〜30代 デジタル勢」と「40代〜60代 ベテラン勢」2つの世代をつなぎ、強力なリソースが向かう先を、正しく定める、「意思決定のアップデート」を担うことができれば、と強く思います。

ほんとはまだまだ書きたいことがあるんですが、もうすでにとりとめなくなってきましたし、本日はこのあたりで。。。

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あざます!
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naoto

エンジニア出身の事業責任者。大企業やスタートアップの支援をしてます。 現在→カーマンライン(株)代表取締役 2018 ガリバー/事業責任者 2015 GREE/マネージャ 2012 ループス/コンサル・PM 2007 クレスコ/エンジニア

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