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『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第一回「長い短い」』の走馬灯

Introduction

2023年5月20日(土)に青山ブックセンターで開催された、『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第一回「長い短い」』
死の間際、きわめて"短い"刹那の間に、"長い"人生が思い返されるという走馬灯のように、イベントを振り返る──。

"走馬灯"という振り返りの手法とその実践は、以下のPodcastの渡邉康太郎さんの語りを参照。

Takram Cast|マイクロツール
https://cast.takram.com/podcast/micro-tool-01
(16:10頃~)

Takram Cast|「Takram Academy クルミド出版『草原からの手紙』刊行記念トーク(後編)」
https://cast.takram.com/podcast/kurumed-pub-02
(1:03:40頃~)

課題図書

今回選書された課題図書は、以下の6冊。

嶋浩一郎さん

  • 『君のクイズ』 - 小川哲

  • 『亡命トンネル29: ベルリンの壁をくぐり抜けた者たち』 - ヘレナ・メリマン

  • 『木の教え』 - 塩野米松


渡邉康太郎さん

  • 『まるいちきゅうの まるいちにち』 - 安野光雅

  • 『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』 - 企画 AHA!

  • 『一人の男が飛行機から飛び降りる』 - バリー・ユアグロー


走馬灯

オープニング

全国の長い短いファンが一同に介す
長井さんは無料?
役に立たなくても怒らないで。
分類されていないものが好き。

『君のクイズ』

ゾーンに入る。
俺には地球が止まってみえるぜ
文節ごとに絞り、「確定」のタイミングで押す。
クイザー
問読みの直前にボタンを押す。
ゆる言語学の出題のイロハ
長いと短いのアンビバレント
落ちるコップ。自分だけ宿題を忘れたときの感覚(?)
小沢健二 『さよならなんて云えないよ』
Mステで好評で、いいともに呼ぶ。
タモリさんは、伊藤つかささんに会いたくてにテレフォンショッキングを始める。
桜田淳子さんから始まるが名古屋の放送局に流れる。お笑い漫画道場。
「左へカーブを曲がると光る海が見えてくる」「この瞬間は続くと!
エモさは終わりが前提。
ユーチューバーはエターナルエモさ。

『まるいちきゅうのまるいちにち』

大晦日から元旦を同時体験する。
今朝も泣きました。
ケニアだけ日常。
英語圏が被りすぎでは。僻地を入れたい。
星野道夫『旅をする木』
清楚とエロス。

『亡命トンネル29: ベルリンの壁をくぐり抜けた者たち』

135mのトンネル。
近い場所に遠くの体制がある。
佐藤優さんのモスクワ時代のスパイの監視。なぜか花瓶がカフェに置かれる。テーブルを叩く。
詳細な記録。
『バンク・ジョブ』。王室の秘密を貸金庫から奪うために、隣のビルからトンネルを掘る。
付箋のルール。色や長さ。1色に統一する。

『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』

11年の育児日記。回想の聞き書き。
水戸芸術館。壁に短文が掲げられる。
わたしは思い出す、のリフレイン。
生活史。震災の記憶。
ギルガメシュ叙事詩は王の歴史。小説は私的な記録。
磯田道史『武士の家計簿』。歴史資料は、フィルターを何重にも濾したコーヒー。意識のなかの言語化されたものだけでなく、もとの豆にアクセスできないか。
料理好きの女性の原稿。神戸の祖母。バックパックのカンボジア。ロシア風の餃子。
料理は、過去と未来をつなぐ。茄子の煮浸し。

『木の教え』

鳥取の定有堂書店
効率化への警鐘。
木の癖。
こけら。木の瓦。ヒノキの皮で作る。
出雲大社
短い推しと長い推し。

『一人の男が飛行機から飛び降りる』

柴田元幸翻訳
「小川」の朗読
朗読派
靴下が第4の胃に行ってしまいそう。
「これは??」
短いと分厚さのコントラスト。軽い素材。
フロイトの夢っぽい。
2冊の本を編んでいる。後半は家族の話。
なんとも言えない。分類できない。
難解なものは難解のまま。

クロージング

ファストとスローも連想される。
TikTokも一瞬にこめる行い。
映画の予告編。字幕とセリフ。
三一致の法則。24時間以内。古典演劇の手法。銀河鉄道と24シリーズ。
次のテーマ案:マスとニッチ。古いと新しい。高いと安い。
硬いと柔らかいに決定? 物理でも態度でも。

振り返り

90分というイベントは、長いようで短く、あっという間に終わったと感じる一方で、振り返ると内容が凝縮されていた時間だった。

時間軸、物理や心の距離、ストーリーそのものの長さなど、多彩な角度から"長い"と"短い"に切り込んだ。反面、サイズとしての長い・短いに触れられなかったことが逆に印象的。

「覚えておかなくちゃ。」と思っていても、記憶だけを頼りにするには限界がある。そのときに、役に立たないかもしれないけれども、記録しておくことの大事さを感じる。『亡命トンネル29: ベルリンの壁をくぐり抜けた者たち』のスパイの記録や、『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』の育児の記録があってこそ、その様子を我々は伺い知ることができる。このnote記事も、いつかのための記録になるかもしれない。

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