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#21 藤原直哉と昭和天皇実録を読む(昭和20年8月10日~8月13日)

藤原直哉
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※試聴版。オリジナル版(25:45)は購入後に視聴可能。

ポツダム宣言受諾をはさみ、戦争から一転して戦後の世界に転ずる大きな節目となる8月です。
バーンズ回答を巡っての外相・首相・海相が唱える即時受諾論、陸相参謀総長軍令部総長が唱える再照会論と対立の8月前半です。

*一人ではなかなか読み進めることが難しい『昭和天皇実録』、藤原直哉の解説を聴きながら、だんだんと理解が深まってまいります!
実際に真ん中で何が起きていたのか、昭和天皇実録巻34昭和20年(下)について、下記のキーワードと合わせて、藤原直哉が細部まで丁寧に読み解き、歴史観も含めて音声解説(25:46 mp3版|ダウンロード可)いたします。

*「昭和天皇実録」を通して、歴史の中の今を日々感じながら、過ごしてみませんか。
歴史の流れをつかみながら、現在の実生活や未来への思考・判断をする習慣を身につけてみませんか。

当時何が起こり、今の私たちに、そして未来へと結びついてくるのか、歴史の力、時間の重力がどのように働き、世の中がどのように動いているのか、一緒に学びましょう!

<第21回目>
<8月10日|金曜日>
・午前零時3分御文庫附属室に開催の最高戦争指導会議に臨御される
・内閣総理大臣鈴木貫太郎
・枢密院議長平沼騏一郎
・海軍大臣米内光政
・陸軍大事阿南惟幾
・外務大臣東郷茂徳
・参謀総長梅津美治郎
・軍令部総長豊田副武
・陸軍省軍務局長吉積正雄
・海軍省軍務局長保科善四郎
・綜合計画局長官池田純久
・内閣書記官長迫水久常
・侍従武官長蓮沼蕃が陪席
・ポツダム宣言の受諾につき天皇の国法上の地位存続のみを条件とする外務大臣案原案
・日本軍の自主的撤兵及び内地における武装解除
・戦争責任者の自国における処理
・保障占領の拒否の4点を条件とする陸軍大臣案とが対立して決定を見ず
・午前2時過ぎ議長の首相より聖断を仰ぎたき旨の奏請を受けられる
・天皇は外務大臣案原案を採用
・従来勝利獲得の自信ありと聞くも計画と実行が一致しないこと
・防備並びに兵器の不足の現状に鑑みれば機械力を誇る米英軍に対する勝利の見込みはないこと
・股肱の軍人から武器を取り上げ臣下を戦争責任者として引き渡すことは忍びなきも
・大局上三国干渉時の明治天皇の御決断の例に倣い
・人民を破局より救い世界人類の幸福のために
・外務大臣案にてポツダム宣言を受諾することを決心した旨を仰せになる
・最高戦争指導会議の決定案
・枢密院議長の主張により
・天皇ノ国法上ノ地位の部分
・天皇ノ国家統治ノ大権へと修正
・午前3時閣議開催において正式に決定
・午前9時外務大臣よりスイスとスウェーデン各国駐箚の帝国公使に対し緊急電報が送付
・スイス国政府を通じて米国政府及び支那政府に対し
・スウェーデン国政府を通じて英国政府及びソ聯邦政府に対し
・帝国政府ハ昭和20年7月26日
・米英支三国首脳二依リ共同二決定発表セラレ
・蘇聯邦政府ノ参加ヲ見タル対本邦共同宣言二挙ケラレタル条件中二
・天皇ノ国家統治ノ大権ヲ変更スルノ要求ヲ包含シ居ラサルコトノ了解ノ下二
・帝国政府ハ右宣言ヲ受諾ス
・午前7時39分空襲警報発令
・敵機の編隊が帝都侵入との情報接到
・内大臣木戸幸一
・ポツダム宣言受諾の善後措置につき御下問
・伯爵牧野伸顕
・時局の関する意見の言上
・御文庫附属室
・元内閣総理大臣若槻礼次郎
・岡田啓介
・平沼騏一郎
・近衛文麿
・広田弘毅
・東条英機
・小磯国昭
・各員より時局に関する意見を御聴取
・参謀総長梅津美治郎
・ソ聯邦の対日参戦に伴う関東軍司令官及び第5方面軍司令官の任務等につき上奏

<8月11日|土曜日>
・昨日午後に開催の閣議
・ポツダム宣言受諾に関する公表問題を論議の結果
・一億国民にも国体護持のためにはあらゆる困難を克服して行くことを期待する
・情報局総裁談発表
・断乎神州護持の聖戦を戦ひ抜かんのみとの陸軍大臣訓示
・陸相に無断にて各新聞社に配布
・各紙朝刊に同時掲載
・陸軍大臣阿南惟幾
・今次の戦争終結については国体護持に大いなる不安がある旨の奏上
・陸相に対して御諭旨の御言葉あり
・軍令部総長豊田副武
・対ソ作戦用兵事項等につき上奏
・外務大臣東郷茂徳
・参謀総長梅津美治郎
・内大臣より天皇御自らラジオを通じて戦争終結の詔書を放送されること等につき願い出
・何時にても実施すべき旨を仰せになる

<8月12日|日曜日>
・空襲警報発令
・新型爆弾搭載機の米軍爆撃機B29侵入との情報接到
・直ちに皇后と共に御文庫附属室に御動座
・本日未明サンフランシスコワシントンからのラジオ放送を通じて
・帝国政府のポツダム宣言受諾申し入れに対する米英ソ支四国政府の回答
・米国国務長官ジェームスバーンズの在米スイス国公使宛書翰の形式にて発表
・いわゆるバーンズ回答
・外務省ラジオ室はサンフランシスコ放送を傍受
・早朝までにバーンズ回答の邦訳文を作成
・陸海軍同盟通信社もバーンズ回答を入手
・正式な回答文はスイス国政府を経由して外務省に到着
・降伏ノ時ヨリ天皇及日本国政府ノ国家統治ノ権限ハ降伏条項ノ実施ノ為其ノ必要ト認ムル措置ヲ執ル聯合軍最高司令官ノ制限ノ下二置カルルモノトス
・天皇ハ日本国政府及日本帝国大本営二対シポツダム宣言ノ諸条項ヲ実施スル為必要ナル降伏条項署名ノ権限ヲ与へ且之ヲ保障スルコトヲ要請セラレ
・天皇ハ一切ノ日本国陸海空軍官憲及何レノ地域二在ルヲ問ハス右官憲ノ指揮下二在ル一切ノ軍隊二対シ戦闘行為ヲ終始シ
・武器ヲ引渡シ及降伏条項実施ノ為最高司令官ノ要求スルコトアルヘキ命令ヲ発スルコトヲ命スヘキモノトス
・日本国政府ハ降伏後直二俘虜及被抑留者ヲ聯合国船舶二速カニ乗船セシメ得ヘキ安全ナル地域二移送スヘキモノトス
・最終的ノ日本国政府ノ形態ハポツダム宣言二遵ヒ日本国国民ノ自由二表明スル意思二依リ決定セラルヘキモノトス
・参謀総長梅津美治郎
・軍令部総長豊田副武
・当面の作戦につき奏上
・両総長よりサンフランシスコ放送を通じて入手のバーンズ回答の如き和平条件は断乎として峻拒すべき
・統帥部としては改めて政府との間に意見の一致を求め
・聖断を仰ぎたき旨の奏上
・峻拒すべき理由
・降伏の瞬間より天皇及び帝国政府が聯合国最高司令官に従属すること第一項
・全陸海軍の武装解除第二項
・国民の自由意思に従う政体の樹立第四項
・日本国おける聯合軍の駐屯にあり第五項
・外務大臣東郷茂徳
・バーンズ回答の趣旨及びこれに対する措置振りにつき奏上
・外相に対し先方の回答どおり応諾するよう取り計らい首相にもその趣旨を伝えるべき旨を仰せられる
・枢密院議長平沼騏一郎
・陸軍大臣阿南惟幾
・バーンズ回答中の第一項及び第四項に異存
・バーンズ回答をめぐって受諾論と再照会論が対立
・首相は再照会論を表明
・外相より正式回答文の未接到につき論議を翌日に持ち越すべき旨の提案
・閣僚懇談会散会
・バーンズ回答中の国民の自由意思に従う政体の樹立第四項について
・国体論に基づく反対意見を聴取
・内大臣は外務当局の差し支えないとする解釈を信頼
・宣仁親王・崇仁親王・恒憲王・邦壽王・朝融王
・守正王・春仁王・鳩彦王・稔彦王・盛厚王
・恒德王・李王垠・李鍵公
・現下の情況並びに去る10日の御前会議の最後に自らポツダム宣言受諾の決心を下したこと及びその理由につき御説明
・守正王は皇族を代表し一致協力して聖旨を補翼し奉るべき旨を奉答
・皇族をお召しの際
・話題が朝鮮処分問題に及んだ場合
・李王垠以下の処遇につき如何に回答すべきやと御下問
・今回のお召しとは別問題につき他日に譲るよう御指導を願う旨を奉答

<8月13日|月曜日>
・陸軍大臣阿南惟幾
・広島市第二総軍司令部より元元帥陸軍大将畑俊六を招致することにつき言上
・参謀総長梅津美治郎
・軍令部総長豊田副武
・ポツダム宣言受諾をめぐって外交交渉中につき航空進攻作戦を控えることを御希望
・内大臣は宮内大臣室において崇仁親王に拝謁し時局収拾につき懇談
・昨日午後6時40分スイス国駐箚帝国公使発の公電によりバーンズ回答の正式文が外務省に接到
・本日午前9時より最高戦争指導会議構成員会議が開催
・外相首相海相が唱える即時受諾論
・陸相参謀総長軍令部総長が唱える再照会論
・外務大臣東郷茂徳
・天皇は外相の主張に支持を表明され首相にもその旨を伝えるよう仰せられる
・崇仁親王と御対面

◎昭和天皇実録とは◎
昭和天皇の生涯にわたる記録を公式にまとめたものです。
どういう風に昭和という時代が動いていったのか、私たちが未来を考えていく上で第1級の資料です。
昭和20年は、8月15日を境に、ものすごく世の中が変わった劇的な年です。
その昭和20年(昭和天皇44歳)を何回かに分けて、読んでまいりましょう。

◎音声ダウンロードファイルのお取り扱い◎
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70年以上前の日本、1945年(昭和20年)の8月と私たちが生きている2017年(平成29年)の8月、そして、10年後、50年後、100年後の未来がどのようにつながるのか、日々感じながら、この1年を過ごしてみませんか。

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