Nara

17歳。人とアートが好きです

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最近の記事

受け入れるということ

「愛というのは手ごわく残酷な怪物です」 この衝撃的かつシンプルな表現は女流漫画家、岡崎京子が、彼女の代表作『pink』の後書きに綴ったものである。 果たして彼女は作品を通して何を伝えたかったのか、そして私達が何をすべきか、それがこのコメントから紐解くことが出来る 急だが皆さんは犬や猫の殺処分問題をご存じだろうか? この殺処分問題の大半の理由は、「思ったより飼うのが大変だった」という飼い主の、動物を飼うということに対するイメージの欠如である。 だがこの問題は飼い主達当事

    • 君、あなた、お前

      「僕は環境の変化を好む。それに恐れるから。でもそれは私の感情であり、僕の一部だから。」 私事だが9月からイギリスで2年間過ごすことになった。そして僕は今、内にうっすら透けて見える恐怖という感情を隠そうと必死に風船を膨らませているところだ。でもその風船にも限界がある。 でもこんな事を格好つけて綴れているのも日本語のおかげ。 イギリスという外向きの視点を得たおかげで、そんな当たり前の幸せに気付けている。そして2年後には、この風船は心地いい風に乗って、何処かに飛んでいる頃だろ

      • 『グロさ』と『キモさ』

        人生生きていれば格の違いというものを感じる。誰しもそうである。 今日は私にとっての『格の違い』を書きたいと思う。 私は根っからの理論人間なので、普段から本能で生きている人間に格の違いを感じることがよくある。 その中でも特に格の違いを感じるのが、『グロい』人間と『キモい』人間。特にアーティストに多い人種だいい意味で『グロさ』や『キモさ』を含んでいる人間である。どういう意味か その人達は無意識のうちに『グロさ』と『キモさ』を作品に投影している。 それはホラー映画や胸糞小

        • 川久保玲は破壊者ではなく『少年』だった

          最近私の中の川久保玲のイメージが少し変化した。今まで私は他のメディアと同じように、川久保玲は、ラグジュアリーを『デモード』(流行遅れ)へ押しやった『破壊者』として捉えていた。 だが先日「スタディオブ コムデギャルソン」を読んだことで、その考え方に揺らぎが生まれた。 もちろん「スタディオブ コムデギャルソン」は有名な書籍であるし存じてはいたが、何故か読むのを避けてきてしまったことを少し後悔している。 本の内容は川久保玲のパブリックイメージに1度疑問を持って、再考してみよう

        受け入れるということ

          『アメリカン・ビューティー』の危険

          『アメリカン・ビューティー』の危険と銘打った今回は、映画『アメリカン・ビューティー』に紐付けしながらアメリカ型資本主義の限界と、アメリカ的幸福の危険について書こうと思います。 まず映画『アメリカン・ビューティー』の基本情報について。平凡な核家族が、それぞれの役割バランスを失うことで、崩壊していく物語であり、現代的な「普通」が内包する危険について描いている作品です。 「アメリカの美」と銘打たれたこの作品について、今まで、映画的観点から様々な批評がなされてきましたが、今回は少

          『アメリカン・ビューティー』の危険

          後編『コムデギャルソンの成功とヨウジヤマモトの失敗から分かる事』

          どうもNaraです。今回は後編となりますので、是非前編から読んで頂けたらと思います。 まず「ヨウジヤマモトの失敗」なんてクソ偉そうなタイトルを付けてしまった事については謝罪したいと思います。ですが個人的にはコムデギャルソンより、ヨウジヤマモトの方に圧倒的に想い入れがあります。 私の社会に対する反抗期を支えてくれたのは、ヨウジヤマモトであるし、90年代のヨウジヤマモトは今でも、私の中で頂点に君臨しています。 ではまずヨウジヤマモトの歴史を辿りつつ、『失敗』とは一体なんのこ

          後編『コムデギャルソンの成功とヨウジヤマモトの失敗から分かる事』

          前編『コムデギャルソンの成功とヨウジヤマモトの失敗から分かる事』

          どうもNaraです。 日本が誇る2大デザイナーズブランド、コムデギャルソンとヨウジヤマモト。その両者の服作り、ブランディング、経営の在り方。似ているようで非なるものなのです。今回はその両者の成功と失敗から見えてきた事を書き留めたいと思います。そして特に前編ではコムデギャルソンの成功について書きたいと思います。 ではまずコムデギャルソンというブランドの特色とは?コムデギャルソンのというブランドを語るにあたって、特筆すべき点は意外にも、多彩なブランドラインナップではないかと、

          前編『コムデギャルソンの成功とヨウジヤマモトの失敗から分かる事』

          『エヴァ』から見る間違った自然保護

          どうも。Naraと申します。今回は国民的アニメ、エヴァンゲリオンから見て取れる、間違った自然保護への批判について書き留めたいと思います。 新世紀エヴァンゲリオン。一見すると人類の機械文明を称えるようなロボットアニメですが、その裏には総監督、庵野秀明の人類に対する静かなる怒りと自然への認識が隠れています。 エヴァンゲリオンの大まかなストーリーとしては使徒と呼ばれる正体不明の生命体と人類の開発したロボットである人型汎用決戦兵器エヴァンゲリオンの戦いを描いたものです。 ですが

          『エヴァ』から見る間違った自然保護

          「無常観」と「サスティナブル」

          はじめましてNaraです。いきなりですが、世界最古の木造建築と言われている法隆寺。実は建立当時の材木が、少しずつ新しい材木に取り替えられて、今はほとんど残っていないこと、ご存知でしたか?今日はそんな日本の様々な文化に横たわる、無常観について書き留めたいと思います。 冒頭でいきなり建築の話をしてしまいましたが、それは人間の体でも同じことが言えます。10年前の皆さんと今の皆さん、顔、かたちは同じですが、物質としての皆さんは10年前とほぼ完全に入れ替わっています。新陳代謝と呼ばれ

          「無常観」と「サスティナブル」