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奈良へ移住。

羯諦羯諦 (ギャーテーギャーテー)
波羅羯諦 (ハーラーギャーテー)
波羅僧羯諦 (ハラソウギャーテー)
菩提娑婆訶 (ボージーソワカー)

まだ薄暗く冬の寒さが肌に突き刺さる午前5時前、奈良薬師寺の境内をスニーカーの底で砂利を擦りながら歩き金堂へ向かう。
私の後にも前にも、同じ砂利の音が重なる。

堂内に入ると、薄暗闇の中で蝋燭の灯りの中に浮き上がる薬師三尊像が見えた。
昼間に見るよりも、一層荘厳だ。

その前に座する管主(住職のこと)の後ろ姿は、古来から続くこの朝のお勤めの儀式の重みをずっしりと受け止めてる様に、厳かに、そして穏やかに見えた。

般若心経 (ハンニャーシンギョー)

朝のお勤めが終わり金堂を出ると、外の世界はすっかり朝の色になっていた。
薄暗かった空は朝焼けを迎え終わったようで既に青空が見え、小鳥が囀り、踏切の音が聞こえる。

奈良の一日が始まった。


大学時代、ご縁あって薬師寺の青年衆として活動し始めてから私の奈良ライフは始まった。

都内某百貨店に就職後も、1週間の有給を取っては足繁く奈良に通った。

なぜ奈良が好きなの?
と聞かれると決まってこう言う。

「奈良にいると心地が良いから。」

もちろん私の好きな寺社仏閣や日本の歴史を感じられる名所が沢山あることも理由のひとつ、むしろそれがきっかけで奈良が好きになった。
ただ、「心地が良い」という理由は、私にとって譲れない一番の理由なのだ。
(そのワケは今度書こうと思う)

25歳の誕生日を迎える前、あと5年で30歳になる自分の人生について考えた。

昔、父がさらりと放った「30歳以降の人生は20代の過ごし方で変わる」という言葉が脳の中を反芻した。

食品工場のベルトコンベアに乗せられ様々な点検と装飾を受け商品化していくモノと同じように、大学卒業後は皆と同じような格好をして皆と同じような対策をして大手企業に入社し皆と同じようにつまらないと思える仕事も我慢してやっていた。(勿論楽しかったこともやり甲斐を感じたことも素敵な出会いもあった)

残り5年、こんなんで生きてたらダメだ。
そう思い立ち、奈良への移住を決意した。

人生一度しかない。
だったら自分で道を作りたい。
自分の人生は自分色に染め上げたいのだ。

いつか死ぬとき、
「いい人生だったわ〜、グッジョブ自分」
と思えるように、

心地良く、生きてることを実感させてくれる奈良で、大胆に自分の好きな道を極めたいのです。

一歩ずつ前へ。
奈良での人生、スタートです!


たらえかなえ

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