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なんて優しい、だけど苦しいよね。

「ママ、ぼく、学校に行きたくない」

最近、よくそうつぶやく息子。
理由を聞いてみると、

息子:「クラスにマスクをつけていない子がいるんだよ。その子が今、自分の席の後ろに座っているんだけど、わざとなのかしょっちゅう咳をこっちにしてくるんだよ。ぼくは、何度もマスクをつけてほしいって注意をするんだけど、全然聞いてくれないんだ」
私:「先生はその子に対してどうしているの?」
息子:「先生はあまり注意をしてくれないんだ。」
私:「そっか。それでどうして学校に行きたくないの?」
息子:「もし、ぼくがコロナにかかったら子どもは無症状が多いっていうから気づかないうちにパパやママにうつしちゃうかもしれないから心配なんだ」
私:「パパやママのことが心配だから学校に行きたくないの?」
息子:「うん」
私:「じゃあ、それ以外は学校は楽しいの?」
息子:「うん、ドッジボールしたり、おにごっこしたり、委員会やったり楽しいよ」

私が不在だったときに、この件で息子が泣いて帰ってきたというので慌てて学校に確認したところ、学校が行ったアンケートでも
「教室にいたくないと感じることがある」
という項目にチェックが入っていたことから個別に先生が呼び出して話を聞いてくれたそうだ。
そのときも同様のことを話しながら涙を流していたという。

自分のことではなく、家族のことを心配できる、そんな優しい子に成長していると思うとなんだか嬉しいと思うと同時に、コロナによって子どもがこんなにも苦しい気持ちを抱えていたことに気づいてあげられなかった申し訳なさがこみあげてきた。

私たち大人は情報を得ることもできれば、それを冷静に判断する知識もある。

しかし、子どもにとっては未知のウィルス。ただただ怖いだけの存在。だからこそ、コロナに関する適切な教育が必要なのではないだろうか。

連日のように急増する患者の人数などのネガティブキャンペーンを繰り返すテレビを見ることで自然と子どもの心は恐怖に侵食されていってしまっているのではないだろうか。

教員はいつも以上に難しい学級経営が求められているのだと思う。コロナの影響でどんどん年間予定が狂っていき、その調整に追われる中、子どもたちがナーバスになりすぎないように、でも感染症対策はきちんとさせなくてはいけない。ご家庭の考え方でマスクをつけない子どももいるし、障害等の理由によってマスクがつけられない子どももいる。

大人は事情を理解することができても、子どもの立場からしてみれば、マスクをつけないなんて信じられないと仲間外れの対象にされてしまうこともある。

熱中症対策もしなければならない。だから、ときと場合によってはマスクを外して活動させることだってある。

先生たちも一生懸命やってくれている、だから、私たち親はいつも以上に自分の子どもに気を配り、心の健康を注意深くみてあげないといけないのではないだろうか。

私たち大人はコロナという環境へ慣れてきている。でも、子どもはそうじゃないのかもしれない。

私たち親の健康を心配してくれる息子、なんて優しいのだろうと思うけど、きっと心は苦しいよね。何の心配もなく学校にいけますように。

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