見出し画像

アメリカで視覚障害教育分野の教員免許を取得する方法

 

奈良:日本では学部レベルで取得可能な視覚障害教育分野の教員免許ですが、アメリカでは修士課程レベルで取得する教員免許となっています。また、これも日本の特徴的な点ではありますが、日本は特別支援教育の教員免許を1分野特化型ではなく、5領域(知的障害・肢体不自由・病弱・聴覚障害・視覚障害)横断型の教員養成を行っています。私はそれぞれメリット・デメリットがあると考えています。重要なことは、障害のある子どもの教育においてどのような教員養成の在り方が最も子どもにとって利益があるのかということだと思います。こうした観点から、日本の教員養成は幅広い知識を浅く教えるジェネラリスト養成であり、教員自身が成熟するのに長い時間を要することが考えられます。実際に私が視覚障害特別支援学校の教員を対象に行った調査では、教員が自身の実践に自己効力感をもてるようになるために最低7年は必要であるという結果が示されています。例えば、最短7年で各領域の専門性を習得できると考えても7年間×5障害領域で35年間もかかる計算になります。教員が成長するのを子どもたちは待っていることはできません。このように考えていくと、1分野特化型の教員養成を行うアメリカの考え方は合理的なのではないかと思うのです。ただ、1分野特化型によるデメリットとはどんなところにあるのかは慎重に吟味する必要があります。ここでは、ケイティにアメリカにおける視覚障害教育分野の教員免許を取得する方法についてお話を聞いていきたいと思います。

ここから先は

1,364字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?