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アーツ千代田3331(東京都千代田区・湯島駅)/旧万世橋鉄道展示室(東京都千代田区・秋葉原駅)

千代田区の中心で新しいアートの形をつくる拠点として、旧小学校を改装して造られたアートコンプレックスであるアーツ千代田3331がプロジェクトの終了を宣言する、というニュースが入ったのは2023年の年明け。地域と密着して一緒にアートを盛り上げる場所としてこれまでに多くのアーティストが参加してきた場所だっただけに淋しさが押し寄せる。

アーツ千代田3331主催の企画展としては最後になる「3331によって、アートは『  』に変化した」を駆け込みで訪問。会場には国内外・老若男女を問わず色々な人が来場し、あるいは楽しみ、あるいは惜しみながらこの場所のフェスティバルのような雰囲気を味わっている。エントランスから真っ直ぐ進んだ場所にあるメインギャラリーでは、これまでの3331の10年以上にも渡る歴史を巡りながら、これまで参画してきたアーティストの作品を展示し、集大成のような趣きの企画展となっている。

終わってしまうのだな

メインギャラリーの他にも地下1階、地上3階ある施設のいろいろな部屋で(基本的に教室をそのまま使っている)ギャラリーが点在してそれぞれで展示を行っている。多摩美術大学の都内における拠点の一つであるアキバタマビや、グループ展示のある上野アートヴィレッジやアーツカウンシル東京、ex-chamber museumやARTDYNEといった小規模ながら個展を開催するギャラリーなども敷居が低いので巡るだけでも楽しいし、閉廊中の場所もワークショップや制作が外から覗けたりして、本当に文化祭のような活気にあふれた場所である。

下駄箱には各所の展覧会チラシであふれている

授業をサボって日の当たる場所へ出るように屋上へと上ると菜園があり、限られたスペースを無駄にしない試みが伝わってくる。また秋葉原駅に近いのもあってアニメとのコラボレーション企画も開催され、ファンの人たちが一斉に写真を撮っていたのも印象的。トイレも1階のウォシュレット式を除けば、全ての階が小学校そのままの和式と洋式が並んでいるというのも味わい深いもの。階段の踊り場に大きな姿見があるのも小学校のようである。

学校らしさの残った階段

アートで地域も盛り上げようと積極的に地域の活動に参加してきたスタッフたちの想いが集結したアーツ千代田3331。その名称も祭りの締めなどでよく見られる一本締めの手拍子から名付けられたものだっただけに、このプロジェクトが終わってしまうのはなんとも残念。いつかどんな形であれ再開を願いたいもの。

屋上
今までありがとね

・旧万世橋鉄道展示室(東京都千代田区・秋葉原駅)
鉄道博物館といえば今は埼玉県の大宮駅にある博物館である。その前身となる施設はこの旧万世橋駅舎にあった交通博物館。2006年を最後に閉館し、解体されたのちにこのマーチエキュート神田万世橋として開業している。このマーチエキュート神田万世橋の中にはいくつもの飲食店などの店舗が入っているのだけれど、その中には万世橋の遺構が残されており、開設された年の名前を取って1935階段、1912階段という2つの階段がある他、2階にはカフェ・デッキ、1階にはライブラリーとして万世橋駅のジオラマ模型を展示しているライブラリーもある。トイレはウォシュレット式。

きっと電車好きならマストで訪れるべき場所

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