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寺田アートコンプレックス2ギャラリー巡り(東京都品川区・天王洲アイル駅)

アートコンプレックス2は1の反省を生かしてかエレベータが2基ある。意外と知られていないらしくてそちらのエレベータを使用するとスムーズに移動できたりする。1階にはカフェーもあるので一息つくのも良いかもしれない。HPに載っているギャラリー以外にも存在していたりして少し混乱するけれども、要するに空いているギャラリーに片っ端から飛び込んでしまえば良いのだ。というわけでこちらも開館時間が許す限りは回ってみようと試みる。こちらもトイレはウォシュレット式。

・T&Y Projects
花井祐介の作品を展示している。こちらの作品のモチーフに登場するデコッパチおじさん(勝手に命名)が愛らしい。絵画作品や映像作品の他に壺などの陶器もある、。そしてそれらにはデコッパチおじさんが漏れなくいるわけである。やっぱり最も良かったのはデコッパチおじさんたち4人があつまって(おそらく呑んべえ)肩車している作品。上にいるデコッパチおじさんが手を伸ばした先にはビール瓶が置いてあるのが素敵。

絵画や陶器に映像も
ビール瓶に手を伸ばすデコッパチ軍団

・THE ANZAI GALLERY
こちらではコムロタカヒロ葉山禎治によるそれぞれの作品展が向かい合わせの2つのギャラリー開催されている。コムロタカヒロはゲームのような造形の怪物やマッチョマンを並べている。日本っぽいカルチャーとアメリカの絵柄の融合。おもちゃっぽさでコレクターとか増えそう。と、そんなに長居したつもりではなかったのだけれどその間に葉山禎治のギャラリーが閉じてしまった。作品が面白そうだっただけに残念。あと5分でも早ければ。

アメコミ調のやつ好きな人が多そう

・SOKYO ATSUMI
こちらではクリスティン・モルギンの21世紀作品を開催している。アメリカの子供ならお馴染みであるシンプソンズやディズニー、スヌーピーといったデザインを使ったもの。未成熟の粘土を使用した作品なのだけれど、粘土とは信じられないくらいのクオリティで驚く。雑誌やペーパーバック、ヴィデオテープ、果ては木の板に見えるようなものまで全て粘土。段ボールの端切れのように見えるものまで粘土でできている。

全て粘土なんだぜ
版権ギリギリや

・TOKYO INTERNATIONAL GALLERY
ミシェル・セハエリオット・ジュン・ライトの2人による「EVEVEN」展を開催している。セハは3Dのレンダリングソフトをつかって立体的な作品を描いている。モコモコした表面の下に何かがいそうな不穏な感じがある。ライトはミクストメディアとして人間の臓器みたいな作品を生み出している。両方とも心地よい気持ち悪さがある。

モコモコと何かが蠢いている
臓器っぽくて面白い

・MU GALLERY
にいみひろきによる個展が開催されている。クリエイティビティの消費をテーマにした作品を発表している。アート作品にバーコードを貼り付けることによって大量消費社会の中でいつのまにかクリエイティブも消費産業のひとつとなってしまっていることに警鐘をならしているようでもあり、皮肉が効いていて面白い。

バーコードを駆使する
こういうアナーキーなの嫌いじゃないぜ

・当代東京
笹田靖人による個展「CHAOS」が開催されている。その名の通り混乱を極めるギトギトぐちゃぐちゃした作品でとにかくインパクトが強い。作品どころか壁紙に至るまでとにかく派手で情熱が迸っている。蛍光色を多用していてアニメっぽい画風もあるので毒々しさは格別。胸焼けしそうなレベルである。

ケイオスである
例のファビュラスな姉妹

・gallery UG
立花光朗による個展「葉衣」が開催。木彫り作品が大量に展示されている。幻想的な作風の中にどこか刹那的と言うか悲劇的というか、そういった要素が混じっているように感じられ、めちゃくちゃ耽美で好みの作品だったりする。はっきり言って今日のギャラリー群の中でベスト。この人の作品はこれからも追いかけてみようと思った。

入る前からインパクトがすごい
控えめに言って最高である

・YUKIKO MIZUTANI
松本セイジ尾花賢一添田奈那による3人展「キャラクターズ」が開催。ディック・ブルーナを思わせるシンプルな線と色合いの松本セイジ、劇画マンガタッチな尾花賢一、動物の殺処分が背景に見え隠れして胸をえぐる添田奈那、全く異なった作風によるキャラクター作品の差異。共通項は「キャラクター」という一点という割り切り方が良い。

作風が全く違う3人
犬と猫と人間と


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