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WHAT MUSEUM & PIGMENT(東京都品川区・天王洲アイル駅)

・WHAT MUSEUM(高橋龍太郎コレクション)
寺田倉庫が運営するWHAT MUSEUMでは、高橋龍太郎コレクションとして、現代アートを中心としてコレクションしている高橋龍太郎の収蔵品を消化する企画展示が実施されている。以前に川端龍子記念館で同じく高橋龍太郎コレクションの一端を観たことがあったが、今回はまた別のコレクション展として、久々に訪問することに。

展示室は1階と2階に分かれている。1階の展示室SPACE1では仏教をモチーフにした岡村桂三郎、鹿の角を菊の花に削った橋本雅也、蝋燭の一生を切り取った杉本博司、力強い書体で書を描く井上有一とそれを捉えた操上和美といった、自然と生命の息吹を感じられる作品が展示されている。

静謐な気分になる

また展示室SPACE2では能條雅由による公開制作「うつろいに身をゆだねて」も開催されており、本人が現場で実際に作品を作っている姿を観ることも。

うつろいに身をゆだねている

階段を上った2階では正面ホールを含めたそれぞれの展示室でテーマ別に作品を展示している。正面ホールでは小谷元彦の彫刻がまず目を引く。隣接するSPACE3では伝統的な技法や素材、モチーフと向き合って独自の方法で製作した作品を中心にし、襖に金箔や墨などを用いて描いた鴻池朋子、伊藤若冲の作品を彷彿とさせる町田久美や森村泰昌、尾形光琳の『紅白梅図屏風』を醤油で描いている小沢剛、シャガールの息吹を感じさせる横尾忠則の他、桑田卓郎の金と銀の茶垸などが目を引く。

横尾忠則はずば抜けている

SPACE4では卓越した高度な技術や手法を意味する「超絶技巧」に焦点を当てた作品を展示している。見附正康によって九谷焼の赤絵の技術を用いてアラベスク模様を描いた皿、楠を削って絵具や金箔で本物のように出現させた雄鶏や、どこか洛中洛外図のような俯瞰図の山口晃による作品、どう見ても本物の雑草にしか思えない須田悦弘などが印象に残る。またSPACE5の前室では水に映える金閣寺をその影まで全て立体にした岩崎貴宏も印象深い。

金閣寺 目が錯覚する

最後のSPACE5では1960年代から70年代にかけて自然や人工物に可能な限り手を加えずに空間へ展示することで「もの」自体に語らせることを手法とした「もの派」の作品を中心に展示している。関根伸夫や李禹煥の作品がここでは代表的な例だろうか。トイレはウォシュレット式。

ものはのものはおもはゆい

・PIGMENT
WHAT MUSEUMの隣には画材を販売しているPIGMENTがある。宝石レベルの高価な岩絵具が大量に並べられているカラフルな棚は一見の価値あり。トイレはなし。

圧巻の岩絵具

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